何度消しても戻ってくる「死んだ目の女」の正体とは!? 2022年にネットを震撼させたAI画像の怪異「Loab」の不気味な真実

呪文を唱えれば姿を現し、追い払おうとしても必ず戻ってくる。昔ながらの怪談の型だが、その舞台が画像生成AIの内部だったとしたらどうだろうか。
2022年、ネット上を震え上がらせた一人の女がいる。頬を赤く染め、生気のない目でこちらを見つめ、口元をゆがめた中年女性。名前は「Loab(ローブ)」という。
生成AIブームの黎明期に生まれたこの「怪異」を、米科学メディアのScienceAlertが今年のハロウィン企画として改めて取り上げた。新たな研究が出たわけではないが、その不気味さは今も色あせていない。
「マーロン・ブランドの反対」から始まった召喚の手順
Loabを「発見」したのは、スウェーデンを拠点に活動するアーティストのスーパーコンポジット(本名ステフ・マジ・スワンソン)氏だ。2022年4月、同氏は画像生成AIの「ネガティブ・プロンプト」を試していた。
通常のプロンプトは「〇〇を描いて」とAIに指示する。ネガティブ・プロンプトはその逆で、指定した言葉から最もかけ離れた画像をAIに探させる仕組みだ。AIは膨大な画像の特徴を「潜在空間」と呼ばれる見えない地図の上に並べており、そこで指定した地点の真反対に飛ぶようなイメージである。
同氏が明かした経緯によると、まず「俳優マーロン・ブランドの反対」を求めたところ、「DIGITA PNTICS」という謎の文字が入った街並みのロゴが出てきた。次にそのロゴの反対を求めると、現れたのがLoabだった。
再度試しても同じ女が出現し、画像の中には「loab」という文字が添えられていたという。これが名前の由来だ。使用したAIツールの名称は、同氏が明かしていない。

有名人より簡単に出てくる女、背景には叫ぶ子どもたち
不気味なのは、ここからだ。スワンソン氏によれば、AIは多くの有名人よりも簡単にLoabを再現したという。Loabの画像を別の画像と掛け合わせても、他の要素が消えていく中で彼女の顔だけが残り続けた。
赤い頬などの目立つ特徴が消えても、どこか「Loabらしさ」が漂う。何世代も掛け合わせて薄め、ようやく彼女のいない画像を作っても、それ同士を掛け合わせるとまた戻ってきたというから、ほとんど呪いの人形の話である。
さらに、数百枚に及ぶ生成画像の多くでは、背景に体を切断された子どもや泣き叫ぶ子どもが描かれていた。あまりにおぞましく、同氏が公開を見送った画像もあるという。
同氏はSNSで、Loabは潜在空間に浮かぶ孤島のような存在で、言葉で狙って探し当てることはできないと説明している。そして、彼女はいずれ誰のもとにも現れるという趣旨の言葉を残した。
「統計上の偶然」か、AIの奥に棲む何かか
技術的に見れば、Loabはオカルトではない。スワンソン氏自身、彼女を「創発的な統計上の偶然」と呼び、本当に呪われているわけではないと認めている。AIが彼女の顔へと引き寄せられやすい、いわば潜在空間の「くぼみ」に落ちた結果だという見方だ。
一方で、彼女は人間の誰かが意図して描いたものではない。オランダ黄金時代には、実在の人物ではなく「観念」を誇張した表情で描く「トローニー」という肖像画のジャンルがあった。名作『真珠の耳飾りの少女』もその一つとされる。Loabは、作者不在のトローニーといえる。
人間の画家なら何を表そうとしたのかを尋ねられるが、Loabには問いかける相手がいない。AIが学習した膨大な人間の画像のどこかに、暴力や恐怖と彼女を結びつける何かが潜んでいたのかもしれない。
スワンソン氏は、彼女のミームが今後のAIの学習データに取り込まれる可能性にも触れ、追い払うにはもう手遅れかもしれないとの見方を示している。統計の偶然として生まれた女が、人間の噂話を養分にしてAIの中で生き続ける。デジタル時代の怪談としては、これ以上ない筋書きだ。
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2024.10.02 20:00心霊何度消しても戻ってくる「死んだ目の女」の正体とは!? 2022年にネットを震撼させたAI画像の怪異「Loab」の不気味な真実のページです。怪異、生成AI、loabなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで