数千の衛星を一斉に破壊する「終末の宇宙核兵器」をロシアが開発中!? 米国防情報局が報告書で警告した軌道上核爆発の悪夢

地上ではなく、宇宙空間で核爆発が起きたら——。そんなSFじみた悪夢が、米情報機関の公式報告書に記された。
ロシアが地球周回軌道上で爆発させる核兵器を開発しているというのだ。英デイリー・メール紙が報じた米国防情報局(DIA)の最新報告書によれば、この兵器は世界中の数千基の衛星を一度に使用不能にする能力を持ちうるという。
「1967年の条約」に反する核搭載衛星
報道によると、DIAは10月26日に公表した報告書で、ロシアが核兵器を搭載するための衛星を開発していると指摘した。1967年の宇宙条約は、核兵器などの大量破壊兵器を積んだ物体を地球周回軌道に乗せることを禁じており、ロシアもこの条約の締約国だ。
報告書は、こうした兵器が使われれば各国・各企業が運用する数千基の衛星が急速に失われたり、性能が落ちたりする恐れがあると警告している。通信、測位、気象観測、科学研究、安全保障まで、影響は地上の暮らしの隅々に及ぶ。
運用方法はまだ分かっていない。核弾頭を積んだ衛星が軌道上で待機する形なのか、地上から打ち上げるのか、両方の可能性が取り沙汰されている。
軌道上の核爆発は電磁パルスを生み、爆心から数百キロ離れた衛星まで狂わせうる。さらにDIAは、爆発後に有害な放射線帯が何年も上空に居座り、一時的な不具合で済んだ衛星まで後からじわじわ壊していく危険にも触れている。
なお、ロシア側はこれまで宇宙への核兵器配備の意図を否定してきた。
1962年「スターフィッシュ・プライム」の前例
この警告は机上の空論ではない。冷戦期の1962年7月、米国は太平洋のジョンストン島上空約400kmで1.4メガトンの核弾頭を爆発させる実験「スターフィッシュ・プライム」を行っている。
爆心から約1400km離れたハワイでは街灯が消えるなどの電気的な障害が起き、生まれた人工の放射線帯によって、通信衛星テルスター1号を含む複数の衛星が故障に追い込まれた。当時、軌道上の衛星はまだごく少数だった。
現在、地球の周りには測位や通信を担う衛星が数千単位で飛び交い、数十億人がその恩恵を受けている。同じことが今起きれば、被害の規模は桁違いになるだろう。
衛星への接近とGPS妨害、宇宙はすでに「戦場」なのか
英国では軍幹部が相次いで危機感を表明している。英宇宙コマンドの初代司令官を務めたポール・ゴッドフリー空軍中将は英紙タイムズのポッドキャストで、ロシアによる衛星攻撃の可能性が高まっていると警告した。
同氏は、銀行決済やナビアプリまで宇宙技術に頼る社会の脆さを指摘し、停電に備えて自宅のガレージに太陽光パネルと蓄電池を置こうかと考えたことまで明かしている。10月には、ウクライナに情報を提供する米国の衛星にロシアの衛星が異常接近する事案もあったという。
英空軍トップのハーヴ・スマイス空軍大将も9月、宇宙が前例のない脅威にさらされていると訴えた。同氏によれば、今年5月にはロシアの軍事衛星5基がフィンランドの民間衛星2基のすぐ近くまで移動したほか、2019年以降、欧州やグリーンランド、カナダで少なくとも75日間にわたりGPS信号が妨害されたとされる。
一方、プーチン大統領は10月29日の記者会見で、欧州との戦争は望んでいないとしつつ、仕掛けられれば受けて立つ用意があり、NATOとの衝突に勝者はいないと語った。米国も9月に地球軌道へ宇宙兵器を配備したと公表し、中国が宇宙の軍拡競争だと非難するなど、緊張は東西双方で高まっている。
宇宙空間での核爆発は、米ソが実験を重ねた1962年を最後に行われていない。報告書の警告が杞憂に終わるのか、それとも60年以上守られてきた一線が越えられるのか。スマホの地図アプリが明日も当たり前に動くかどうかは、はるか上空の駆け引きにかかっている。
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊数千の衛星を一斉に破壊する「終末の宇宙核兵器」をロシアが開発中!? 米国防情報局が報告書で警告した軌道上核爆発の悪夢のページです。ロシア、核兵器、核爆発などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで