電気も水道もスマホも止まった「72時間」をどう生き延びるか!? 各国政府が家庭備蓄を呼びかける理由と備えのリスト

ある朝、照明がつかず、蛇口をひねっても水が出ず、スマホは圏外のまま。そんな状況が3日間続いたら、あなたの家はもちこたえられるだろうか。
いま世界各国の政府が「最初の72時間は自力で乗り切れるように」と家庭に備蓄を呼びかけている。その背景にあるのは、異常気象だけではない。
フランスは72時間、ドイツは10日間……各国が想定する「その日」
備えの目安は国によって異なる。報道によれば、フランスは72時間分の必需品を推奨し、ドイツはさらに長い最大10日間への備えを住民に求めているという。
地震大国の日本も例外ではない。首相官邸の防災ページは、水と食料を「最低3日分」、大規模災害に備えて「1週間分」が望ましいとしている。飲料水の目安は1人1日3リットルだ。
各国がここまで備えを強調する理由として挙げられているのが、気候変動に伴う災害、国際紛争、そしてサイバー攻撃だ。敵対国家によるハッキングやインフラへの破壊工作が起きれば、ミサイル1発撃ち込まれることなく、電力や水道が止まりかねないという懸念が広がっている。
なぜ「3日間」なのか、救助が来るまでの空白
72時間という数字には理由がある。大洪水のような災害が起きると、救助隊はまず命の危険が迫った人の救出や避難誘導、病院など重要施設の維持を優先しなければならない。
つまり、危険が差し迫っていない一般家庭は、しばらく自分たちの蓄えで過ごす必要があるのだ。最初の3日間を自力でしのげれば、当局が混乱に対処する時間を稼げるという。
3日分という量は、家に過剰な物資をため込まずに済む現実的な落としどころでもある。
英国赤十字が示す「最低限のキット」
では具体的に何を用意すればいいのか。英国赤十字社は、72時間を自宅で乗り切るための指針を公開している。主な項目は次の通りだ。
1.飲料水(1人1日2.5〜3リットルが目安)
2.調理不要の食料3日分
3.常備薬(少なくとも3日分)と救急用品
4.懐中電灯、予備の電池、充電済みのモバイルバッテリー
5.ウェットティッシュや手指消毒剤などの衛生用品
6.紙に書き出した家族や知人の連絡先
乳幼児がいる家庭ならミルクやおむつ、ペットがいれば餌と水、医療機器や歩行補助具を使う人はその代替手段も考えておきたい。
物資以外の準備も大切だ。スマホが使えなくなった時に備えて家族の集合場所を決め、重要書類の保管場所を共有しておく。ガス、電気、水道の元栓を安全に止める方法も確認しておくといい。
高齢者や障害のある隣人、親類への声かけも、非常時には大きな意味を持つ。
同団体は、一度にすべてをそろえる必要はないとも強調している。家にあるものを確認し、買い物のたびに1品ずつ買い足していけばいい。小さな箱や棚の一角でも、必需品は十分に収まるという。
備えは完璧でなくていい、ということだ。電気も水も通信も当たり前に使える日常は、思っているより細い糸の上に成り立っているのかもしれない。
参考:UNILAD、British Red Cross、首相官邸
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