安田純平さん“韓国人発言”の真意を探る！「プロ人質」疑惑についても… 旧知のジャーナリストがコメント！

2018.08.12 07:00

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――第一線の記者やライター、ジャーナリストなどが取材・執筆する“不都合な真実をえぐり出す”ネットメディア「Real News On-line!（リア・ニュー！：RNO）」より転載。

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arabnewsより

「私の名前はウマルです。韓国人です」と安田さんが語った真意

　日本のフリージャーナリスト・安田純平さん（44）が2015年6月にシリア北部で行方不明になって3年が過ぎた。その安田純平さんの最新の映像が先月31日にインターネット上で公開され、波紋を呼んでいる。

　映像は20秒ほどの短いもので、真ん中には、オレンジ色の囚人服を着た安田純平さん。その背後には、武装し銃を持つ人物が2人立っているというものだ。そのうちの一人に銃を突きつけられながら、安田純平さんは以下の内容を話しはじめる。

「私の名前はウマルです。韓国人です。今日の日付は、2018年7月25日。とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」（全文ママ）

　この映像をめぐり、ネット上で大きな話題となっているのが、安田純平さんの“韓国人発言”の真意である。これまでに公開された画像や映像では、自身のことを「安田純平」と名乗っていたにもかかわらず、今回に限り突然「私の名前はウマルです。韓国人です」と名乗り出したからだ。

テレビ局による不可解な報道…なぜあの部分はカットされた？

　さらに波紋を呼んでいるのが、日本の各テレビ局の報じ方である。いくつかのテレビ局が、この映像を報じるにあたり、20秒ほどの短い映像にもかかわらず、「私の名前はウマルです。韓国人です」という部分をカットして放送したのだ。このような放送をしたことに何らかの意図はあったのか？　そして、安田純平さんがなぜこのような発言をしたのか？　いまだ真相は、わからないままである。

　この騒動に対して菅義偉官房長官は今月1日に記者会見を開き、「日本政府は安田純平さんの安全確保に全力を尽くす」とコメント。さらに映像の人物について、安田純平さんかどうかという記者らの問いに対して菅官房長官は、「そのように思っている」と答えた。

　安田純平さんは、自身のホームページによると、埼玉県入間市出身。信濃毎日新聞社記者時代に、休暇を利用してアフガニスタンやイラクを取材しており、2003年に同社を退職してフリージャーナリストへ転身した。その後は、シリア内戦などを精力的に取材。これまでにも、イラク軍やイラク政府などに数回拘束されたこともあったが、いずれも解放されるという経験を持つ。しかし、2015年6月、シリアへ入国した後に行方不明となり、現在は、シリア北西部の反体制派支配地域で拘束されているとみられている。

　行方不明となって以降、安田純平さんと見られる画像や映像が、インターネット上で複数回公開されてきたが、いまだ解放されるに至っていない。これまでに公開されてきたものを、当サイトが把握できた範囲で以下に記す。

これまで公開されてきた安田純平さんと見られる映像・画像の数々

■2016年3月16日（映像）
　安田純平さんと見られる男性が、「Hello, I am Junpei Yasuda.（こんにちは、私は安田純平です）」と名乗った上で、英語で「今日は3月16日は私の誕生日で、彼らから『メッセージを送っていい』と言われた」などと発言。確認できた映像は約1分7秒の長さで、男性は机の上に置いた紙を見ながら、紙に書かれているとみられる文章を読む形で話している。

■2016年5月（画像）
　髭を生やし、赤い服を着た安田純平さんと見られる男性が、「助けてくださいこれが最後のチャンスです安田純平」と書かれた紙を持っている。

■2018年7月（映像）
　映像は室内で撮影したものと見られ、真っ黒な背景に、安田純平さんと見られる男性が黒いイスに座り、英語で「私はジュンペイだ。私は元気だ。家族の無事を願っている。ただ家族に会いたい。すぐ会えることを願っている」などと発言。撮影された日付については、「2017年10月17日」と語っている。

　そして、その1ヶ月以内に再び公開されたのが、先月31日に公開された映像である。

　イラクで安田純平さんと一緒に取材をしたことのある日本人ジャーナリストは、次のように語る。

安田純平さんは「プロ人質」？明かされない“謎”の部分

「安田純平さんは日本のパスポートを持っていましたし、私は日本人だと認識しています。ただし、当時から、インターネット上での情報発信には細心の注意を払ったり、日本の外務省や取材国による監視の目を気にするなど、個人情報の発信についてはかなり慎重に行っていました。安田純平さんは過去にも何度か拘束されています」

　また、シリアやイラクなど、日本の外務省が退避勧告を出している国や地域で取材した経験がある日本人ジャーナリストよると、取材した内容が報道されると、外務省からは二度と行かないようにと注意を促す電話が度々かかってくるという。さらに、渡航直前に外務省が覚知し、旅券返納命令が出されたケースもあり、安田純平さんは渡航計画などを極限られた人にしか明かさないなど、慎重に進めていたという。

　ネット上では安田純平さんに対して「プロ人質」だと指摘する声もあるが、3年間という長きにわたり拘束され続けていることから、そのように考えるというのはいかがなものであろうか。

　今後、安田純平さんに対して日本政府はどのような対応を見せるのか。そして、今回の“韓国人発言”にはどのような真意があるのか……。今後の動きに注目が集まっている。
（文◎朝比奈ゆう）

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