宇宙迷子 in TOCANA第2回

“太陽を食べて生きる” — サンゲイジングの魅力

太陽を食べて生きる — サンゲイジングの魅力の画像1丘からの夕暮れ(カリフォルニア州Paradiceにて)。都会ではビルに阻まれたり、時間に追われなかなか見る機会がない。

 ある時、美しい夕暮れを見ながら、友人がスゴイ話をしてきた。

「サンゲイジング(Sun Gazing)って知ってるか? 太陽を食べるんだ!」

 サンゲイジング(太陽凝視)とは、有害な光線が少ない日没前、もしくは日の出後1時間以内の太陽を所定の時間凝視し、目を通して太陽エネルギーを吸収することなのだそう。

 その効果というと、ネガティブな感情が消えたり、病気が治癒したり……さらに究極的なことを言えば、植物のように光合成して、ほぼ不食で生きられるようになるというのだ。

 太陽は直接見てはいけないとお医者さんは言っているし、目が潰れてしまわないか半信半疑で太陽に焦点を合わせてみた。

 すると太陽はキラキラと七色の光が折り重なり、目を通って脳の方まで光線が届くような感じと共に、膨大な暖かいエネルギーが全身を満たし癒される感覚があった。

 毎日毎日、昇っては沈み、万物を照らし続ける太陽。日々の暮らしに追われ忘れていた大切な存在。

 コンクリートジャングルに戻った今も、僕はチャンスがあれば、ビルの隙間を縫って凝視するようにしている。

※これらの内容、及び安全性は科学的に実証されておりません。きちんと情報を精査し、自己責任で行って下さい。

●髙橋哲平(たかはし・てっぺい)
1985年、埼玉県生まれ。2008年に日本大学芸術学部写真学科を卒業。11年、ビジュアルコミュニケーション展(つくば美術館)にて展示。旅する宇宙作家(写真/映像)。日本、世界各地のフェスティバルや聖地、皆既日食など、普段見ることのできない宇宙のハレ(非日常)を追い続けている。13年には、初の個展『宇宙迷子』を半蔵門Anagraにて開催。
公式HP<http://teppeitakahashi.com/

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