人類はどんどん頭が悪くなっていることが判明?各国で止まらない知能指数低下の謎
しかし、先に挙げたナイジェヌス教授の研究の他にも、現実のデータとしてイギリス、デンマーク、オーストラリアで行われているIQテスト(知能テスト)のスコアが1950年代から下降を続けていることや、デンマークで兵役適性検査として実施されているIQテストのスコアが、1998年以降1.5ポイント低下しているというような事実が続々と明らかになってきている。
これらの知能の低下傾向が長期的なものか、一時的なものなのかについては議論が分かれているが、研究者の中には、人類の知能のピークは既に過ぎてしまったのだと考えている人もいるようだ。これまで人類にバラ色の未来を約束していた「フリン効果」は先進国では既に終わりつつあり、知能は横ばいどころか低下しつつあると考えている研究者もいる。我々人類はこのまま徐々に「おバカ」になっていくのだろうか……。
ハートフォード大学の研究によれば、今後人口が増えるほどに平均知能は下がり、2110年には8ポイント以上の知能低下が見込まれるという。またアルスター大学の心理学者、リチャード・リン氏は1950年から2000年の間に世界の平均知能指数は1ポイント下がったことを導き出し、これに基づけば2050年までにさらに1.3ポイント下降すると予測している。
■平均知能の低下は知能の“二極化”問題か
笑うに笑えないブラックコメディとして評価の高い2006年のアメリカ映画『26世紀青年(Idiocracy)』は、500年間の冷凍冬眠から目覚めた主人公が体験する、平均知能が極めて低下した「おバカ」な社会の中での生活がコミカルでシリアス(!?)に描かれている興味深いエンタテインメント作品だ。この500年で知的な人々が子作りを制限していた一方、知能の低い人間たちが無計画に子供を作り続けた結果、社会の構成員の平均知能が恐ろしく低下し、社会は非効率かつ混乱を極めた様相を呈しているというのが物語の設定である。選挙で選ばれた大統領は元プロレスラーで現役AV男優という凄まじさだ。見方を変えればなんだか楽しそうな世界のようにも思えてくるのだが……。
しかし、「フリン効果」を唱えたジェームズ・フリン博士自身は現在の実情にそう悲観的ではないようだ。「知能低下が“フリン効果”の終焉によるものなら、IQスコアは横ばいで安定するはずであるし、仮にこのまま低下を続けたとしても医療の充実と技術の進歩で出生率に歯止めがかかり、問題はおのずと解決するでしょう」と、語ってはいるのだが…。
社会の平均知能の低下はつまり、知能の二極化という形で問題化してくるのだろう。しかし近年のめざましいIT技術の進歩、インターネットの充実ぶりが、利用者全員の情報収集能力を自動的に、かつ飛躍的に高めたことも事実だ。知識やスキルの獲得など、広い意味での知的能力の向上を図るのかどうかは、結局のところは個々人の人生観次第だろうか。
参考:「Daily Mail」、「Huffington Post」ほか
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2024.10.02 20:00心霊人類はどんどん頭が悪くなっていることが判明?各国で止まらない知能指数低下の謎のページです。未来、研究、人類、仲田しんじ、知能、IQ、フリン効果などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで