心拍停止した男が●●をして生き返る=トルコ
死んだ人間が生き返る――。この手の話はこれまでいくつかの事例があるが、死体安置所に安置されていた遺体が動き出す、あるいは医学がそれほど発達していなかった過去には意外にもそれほど珍しい事ではなかったようだ。とはいっても「死者がよみがえる」というのは非現実的であり、にわかには信じられない珍しさを感じるのも確かである。今回の一件も例外なくレアなケースであり、モラルの面で論争を呼ぶことは避けられないかもしれない。
■とっさの判断で「低体温治療」を試みた医師→成功
トルコ・アンカラに住む2児の父であるブレント・ソンメズさん(40歳)が、深刻な心臓発作を起こし病院に運ばれた。通常の蘇生法もむなしく心臓が止まったままだったことに対し、担当した医師は、臓器への酸素不足を懸念して体を30℃以下に保つ「低体温療法」を試みようとブレント氏の体を氷風呂に浸したのだ。すると信じられないことに、しばらくの後ブレントさんの心臓は再び動き出したのだという。そして、24時間後に通常の体温に戻ったのだ。
しかし、こん睡状態が長かったためか目が覚めたブレントさんは記憶の半分を失ってしまっていた。
40年間という長い人生の半分以上も思い出せなかったブレントさんは愛する妻や子どもの記憶さえなく、命が助かったとはいえ自分たちのことを思い出せない夫に妻・シベルさんは大層落胆したようだ。地元メディアのインタビューでシベルさんは「私たちの子供について説明する方法がわからなかった時は、まるで映画のようだと思いました。写真を見せて説明しようとしましたが、彼を説得させるには本当に長い時間がかかりました……」とも語っている。
8カ月前に退院し、家族とともに暮らしているというブレントさんは以前と比べれば少しずつ記憶を取り戻しているというが、まだまだ以前のようにはすべてを認識できないでいるそう。
ちなみにこのブレントさんに施された「低体温治療」は、いまだ医療として正式に認められているものではないため非常に多くの論争を呼んでいる。というのも、副作用に関する文献が極端に少なく、担当した医師ですら見つけられていないからだ。
しかし今回の事例はまさに奇跡としか言いようがなく、「ひとりの人間の命が助かったこと、成功したこと」だけは確かな事実なのだ。この方法が以後正当な治療法として確立されていくのかどうかは、モラルや宗教的に背くのかどうか、また、知られている低体温治療の副作用として深刻な脳損傷を引き起こす可能性など、さまざまな懸念材料がまだまだ残るものの、少なくとも人の命について、医療の在り方について考えるきっかけにはなるのではないだろうか。
(文=ODACHIN)
参考:「Mirror」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊心拍停止した男が●●をして生き返る=トルコのページです。記憶、脳、ODACHIN、蘇生、低体温治療、心停止などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで