【骨は語る】 ネアンデルタール人は我が子を切断して食べていた!?

■切り取り、叩きつけ、粉々に打ち砕く――共喰いのため?

 だが、この「儀式説」と並行して浮上しているのが「食用説」だ。ガラード教授は研究途中で確実なことは言えないとした上で「ネアンデルタール人には『食人文化』があったのでは」と推論している。前出の子どもの骨には、死後に大腿骨を故意にへし折るべく何度も強打したと思わしき、激しい外傷があり、単純に亡くなった子どもを弔うにしては、やり過ぎ感がぬぐえない。むしろ「死亡したからには、たとえ我が子でも食糧に」と、貴重な肉を食べやすくするための“ひと工夫”と考えると妙に納得がいく。

 とはいえ、遺骸に肉食動物の歯形が残っていないため、ネアンデルタール人が「人の肉を食べた」かどうかの決定的証拠は現在まで見つかっていない。

 ちなみに、「Mirror」では、「ネアンデルタール人は人喰い人種だったか?」というネット投票で行われ、この質問に対し74%の人がYESと答えている。

 自分たちの食糧にするため、生きている我が子を殺したわけではないにしても、ネアンデルタール人が、遺体の切り出しをしたことは間違いないようだ。野卑だが純朴というイメージの強いネアンデルタール人ではあるが、思いがけず禍々しい一面を垣間見た気がして、改めて古代史の闇の深さを感じてしまう。
(文=佐藤Kay)

参考:「Daily Mail」、「Mirror」ほか

関連キーワード:, ,

佐藤Kayの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

『十物語の代償』修学旅行で招いた忌まわしき怨霊の執念【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

『十物語の代償』修学旅行で招いた忌まわしき怨霊の執念【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.07.24 20:00心霊
人魚が守る島の掟と宝【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

人魚が守る島の掟と宝【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.07.10 20:00心霊
「三途の川を見に行く方法」対岸に立つ存在の正体とは…時を経て現れた闇の存在【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

「三途の川を見に行く方法」対岸に立つ存在の正体とは…時を経て現れた闇の存在【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.06.26 20:00心霊
夕暮れ時の「目玉の雨」高校教師が語る戦慄の恐怖体験【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

夕暮れ時の「目玉の雨」高校教師が語る戦慄の恐怖体験【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.06.12 20:00心霊

【骨は語る】 ネアンデルタール人は我が子を切断して食べていた!?のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで