【麻薬密輸】日本人が禁固16年から一転「終身刑」に ― 恐ろしきインドネシア司法の実態!

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 以前、トカナで報告した、インドネシアに2.3キロの覚せい剤を持ち込み、重罪を言い渡された日本人・川田大被告(73)が、先月20日、終身刑を言い渡された。「世界銀行幹部を名乗る男にだまされた。終身刑の判決には到底納得がいかない」と主張していた川田被告だったが、結局は控訴を取り下げる道を選んだ。すなわち終身刑の確定である。

「薬事犯に恩赦はない」

 筆者は川田被告が逮捕されて間もないころ、このニュースをトカナで報告した。その際に「この裁判は、終身刑か有期刑かを議論するものになるだろう」と書いた。その予想自体は的中したが、判決に至るまでの過程は非常にイレギュラーなものだった。

 まず、筆者が先の記事を書いた数日後、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領がジョグジャカルタにあるガジャ・マダ大学で講演を行った。その中でジョコ氏は、「我が国の麻薬汚染は深刻である。薬事犯に恩赦を与えてはいけない」と明言したのだ。

 ウィドド大統領の言うように、インドネシアの麻薬汚染は急速に広がっている。首都ジャカルタのいくつかのディスコでも、数十ドル程度の金さえあれば2~3グラムほどのブツ(純度はともあれ)を買うことができてしまう。そのディスコの店名は、ここでは明かせないが。

 話は逸れたが、ウィドド大統領の講演から今日に至るまで、インドネシアに麻薬を持ち込んだとされる外国人死刑囚の刑執行が、容赦なく進められた。その数、実に12人。ウィドド大統領は各国首脳の減刑嘆願に対しても一切応じなかった。

 となると、川田被告にも情状酌量の余地はないのではないか。だが、西スマトラ州検察は、法廷で予想外の求刑を口にした。

「川田被告は禁固16年及び罰金刑に処すのが妥当である」

 インドネシアにおいて、2キロ超の覚せい剤を持ち込んだ被疑者への検察求刑が有期刑というのは、まさに幸運と言ってもいい。これで死刑はおろか終身刑も回避できると、日本のマスコミは推測した。

 だが、それで終わらないのが、インドネシア司法の恐ろしい部分である。

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