地獄の新種ムカデ「ペルセフォネ」 ― 地下1,392mの洞窟で発見される
例えば深海など、我々人間の生活から切り離された場所で発見される新種の深海魚類たち――。彼らの生態や種類は未知数だが、海底以外で同じ様に未発見の生物たちがいる可能性が高い場所はどこだろう? それは地上でありながらの異空間、洞窟である。
コウモリやイモリ、ゴキブリやクモなど、洞窟の中で一生過ごす生き物は洞穴生物(洞窟生物)と呼ばれるが、最近、世界有数の深い洞窟で新種のムカデが発見されたと話題になっているという。
■地下1,392メートルの洞窟の底に新種のムカデを発見
発見場所はクロアチア、ヴェレビト山脈にある洞窟。
クロアチアで最大・最長の洞窟であるルキナ・ヤマ洞窟群で、その深さは世界の洞窟の中で現在15番目の深さであり、地下1,392メートルと言われている。
今回発見されたムカデはギリシャ神話の冥府の神(地下の神)「ハデス」にちなみ、ゲオフィルス・ハデシと名付けられた。
発見者のひとりであるブルガリア科学アカデミー国立自然史博物館のパヴェル・ストーブ氏は、「一目見て新種だと直感しました。このムカデは深い洞窟内の特殊な環境に高度に適応した種だと思います」と語っている。
陽の届かない謎に包まれた生息環境で昆虫類を捕食する新種ムカデ、ゲオフィルス・ハデシ。普段我々が庭などで見かけるものと異なり、長い触覚に大きな体節とかぎ爪を持っており、これは深い洞窟内への環境に見事にマッチしているようだ。また、力強いあごを持ち、毒を排出する唾液腺を支えている。かぎ爪で獲物を捉え、すぐに死に至らしめる事が可能だという。
同時に異なるもう一種のムカデも発見されており、そちらは同じくギリシャ神話の冥府の女王にちなんで「ペルセフォネ」と名付けられたようだ。
地球上に残るフロンティア、洞窟はいまだ知られていない手つかずの自然や生物が残されており、探検家や研究者から注目されている。
「今回の発見は、我々の知識がまだごくごくわずかであり、今後、想像を超える新生物と出会う可能性を示唆しています」と前述のストーブ氏は最後にこうコメントしている。
ちなみに、世界で最も深い洞窟はグルジアにある深さ2,196メートルと言われるクルベラ洞窟。最深部まで到達するのにはなんと27日間を要すると言われ、その過酷過ぎる探検も話題とか。正に神秘、胸躍る話ではないか。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Discovery.com」、「Retrip」ほか
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