神の怒りに触れた伝説の都市「ソドム」をついに発見か? 聖書の記述ソックリの史跡トリエルハマム!!

■滅びゆくソドム

 ではなぜここまで栄華を極めた大都市が突如、神の怒りにより破壊されたのか――。

 旧約聖書「創世記」に書かれた内容はこうだ。

 政治が乱れ、堕落の一途をたどるソドムとゴモラの民に怒った神が、罰を下そうと決断する。しかし、この審判をあらかじめ聞いた預言者アブラハムは、神に「せめてソドムに正しい人が10人いれば滅ぼさないでほしい」と懇願。神はアブラハムの願いを聞き入れ、男性に扮した2人の天使をアブラハムの甥であるロトの家に遣わす。ロトはすぐさま彼らが天使であることに気づき、自宅に招いてもてなした。だが、噂を聞きつけた町中の男どもはこれを歓迎しなかった。ロトの家を包囲し「その客人を俺たちによこせ」と強要。ロトは天使を守るためにこれを拒否し、代わりに処女である自分の娘たちを差し出すという苦渋の決断を下す。これを見た神は激昂し、天から炎と硫黄の雨を降らせソドムの町をすべて焼き尽くした。

 神は善人であったロトの家族だけを助けるかたちでアブラハムの願いをかなえたが、「途中、決して振り返ってはならない」との忠告を破り振り返ってしまったロトの妻は塩の柱となった。その後、神の怒りにふれたこの土地は、草木一本生えない塩の大地となってしまったという。

 この町は背徳と同性愛の象徴として語り継がれているが、考古学者らによるとこの中に出てくる“神の怒り”は巨大地震であるという説や、小惑星の衝突など諸説あるようだ。

 しかし旧約聖書アブラハムの時代に、栄華を極めていたというトルエルハマムの発見は確かにソドムであるという可能性を示唆するには十分すぎるほどの一致が見られるのではなかろうか。もしこの場所がソドムではなかったとしても、この史跡の発見はいまだ解き明かされていないヨルダン川付近の青銅器時代についての学術的な発見につながるだろう。

 ギリシア神話のトロイアの木馬同様、これまで聖書でしか出てこなかった伝説の町の名が現実にあったかもしれない、とはロマンのある話である。
(文=遠野そら)

参考:「Daily Mail」ほか

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