「第2のストーンヘンジ」が発見される! 地下に眠る巨石群の謎=イギリス
数世紀に渡って我々人類を悩ませ、且つ魅了している元祖・ストーンサークルであるストーンヘンジ――。紀元前2500~2000年にかけて建設されたとされているこの巨石群は世界遺産に指定されているが、古代の天文計算機説、宇宙との交信説、ヒーリングスポットなどなど、未だに解明されていない部分も多く、謎に包まれたままだ。
今回は、そのストーンヘンジからたった1~2キロしか離れていない同付近でさらに大きな規模の巨石群が地中に埋まっているのが発見されたという。ひょっとしてこれは新たなストーンヘンジなのだろうか?
■4500年以上前の巨石群が発見される
専門家らによるとこれらの“新”ストーンヘンジはさらに古く、少なくとも4,500年以上前に建てられたものだそう。調査には最新のレーダーが用いられ、90個ほどの石が地下1メートルから下の部分に存在していることを突き止めたという。
ひとつひとつの石がそれぞれ4.5メートルほどの大きさがあり、通常のストーンヘンジでは円形に並べられているが、今回のは真っ直ぐ線上に並べられているという特徴がある。「ヨーロッパ内にある巨石群の中でも最大級のものであり、我々の目の前に4000年もの間隠れていたとは!」とブラッドフォード大学の考古学者、ヴィンス・ガフニー教授は驚くべき大発見だと語っている。
ストーンヘンジに対抗するように建てたものなのか、はたまた神聖な場所として何か複雑な意味を持つものなのだろうか? 「なんらかの宗教的儀式を行うためのものであったのではないかと推測しています。劇場のようにデザインされている印象を受けます」と教授は語っているが、石は急な斜面に沿って置かれており、谷に向かってわざとC型になるように切られた形跡も認められるが、それがなぜなのか、そしてストーンヘンジとの関連性については謎のままだという。
今回発見された巨石群は、は2006年に発見されたダーリントンウォール遺構にある“スーパーヘンジ”( 直径100メートルのストーンヘンジに対し、直径500メートルに渡る円形の土手)の南東端に沿うよう設置されている。まだ発掘作業は行なわれていないが、石の材質はストーンヘンジと同じサルセン石(イギリスで多く見られる砂岩の大きな塊)ではないかと考えられているようだ。
■地中にはまだまだ遺跡群が眠っている!?
この他にも近年、ストーンヘンジの周囲の地下に眠る数々の遺跡群が、最新のレーダーによって次々と明らかになり、注目を集めている。昨年は約33メートルに渡る、巨大な木で出来た建物を含む埋葬地なども発見されているようだ。
といっても、広大な土地の中で地下に眠る遺跡や巨石の詳細を調査するのは並大抵のものではなく、今回の発見もトラクターの先に土壌透析レーダーを取り付けて地中探査を行い、センサーで位置や大きさを測ったものからコンピューターで想像図を書き起こすという地道且つハイテクな作業から行われたものなど様々だ。いずれにしても実際に発掘作業を行うことなく、全体像が判明するとは驚きの技術である。
今回のものは保存状態も良いようで、ストーンヘンジの謎を解明するのにも役立つのでは、と期待されているという。地中にはまだ他の遺跡群が眠っている可能性もあり、今後の研究そして成果を待ちたいところである。
保護の観点から通常は入れないストーンヘンジだが、毎年夏至の日には特別に解放され、世界中から観光客が集まり日没から日の出までを過ごし、盛り上がるそう。一生に一度くらい、行ってみたい!?
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Mail」ほか
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