【クローンの未来】「人間をつくる準備は整った」中国研究チームの発表、倫理的にはOK?

■未来の食卓には食用クローン牛が並ぶ!?

 一方、ボヤライフ社のパートナー企業である韓国のSooam社は、2005年のES細胞の不正論文疑惑で問題となったものの、世界で初めて犬のクローンをつくり出すことに成功したファン・ウソク博士が創立した企業で、すでに一体当たり10万ドルで、亡くなったペットのクローンをつくる企業としても知られている。

 韓国の東亜日報によれば、ファン博士は、韓国内では人間の胚を使った実験が禁止されていて、今後の実験の進行過程で、人間の胚を使うことになった際に問題が起きる可能性があるために、それが可能な中国での研究を進めているとのことである。

 またシュイ氏は、ボヤライフ社は世界で最初のクローン牛のサプライヤーになるであろうとも語っている。均一の遺伝情報を持つクローンは、食肉を生産する上で有益な手段であり、神戸牛のような上質な牛肉を安く、早く、大量に生産する鍵になるであろうとしている。現時点では、ヨーロッパではクローン動物を食肉とすることは禁じられているが、アメリカでは安全であるとしている。国連食糧農業機関では、まだどちらとも答えを出すには至っていない。

 ほんの30年前は、クローン人間などはSF映画やコミックの中で活躍する、遠い未来のバイオ技術であったような気がしないでもないが、未来の技術がすぐそこまで来ていることに驚きである。シュイ氏はAFP通信社に「クローン技術は、大衆が思っているほど狂気じみた科学でもなんでもなく、それに携わる科学者も変人ではない」と言ってはいるが、その技術進化と、それに伴う社会や人間の倫理観の変容とのスピードの差は開いていく一方のような気がしてならない。
(文=高夏五道)

参考:「Discovery News」、「Daily Mail」ほか

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