小児性愛者“ペドフィリア”を治す注射 ― デガレリクス、それは「化学的去勢」

41BB9M4D8KL.jpg画像は、『児童性愛者―ペドファイル』(解放出版社)

■ペドフィリアに対するその他の治療法

 ラーム博士の治療は一種の「化学的去勢」に近いが、心理療法でペドフィリアを治療する考え方もある。英国の組織「StopSO(STOP Sexual Offending)」ではペドフィリアに心理療法を行い、犯罪から遠ざけようとしている。「StopSO」の代表によると、ペドフィリアの原因は「ストレス、結婚や成人パートナーと接触出来ない等の問題」だと言う。そしてそれらの問題を取り除くには、心理療法が最適だと断言する。

 また薬や心理的療法とは全く異なるユニークな角度から、児童への性犯罪防止に貢献している可能性があるのが、子どもの姿をした人形だで、性欲を禁止・抑制するのではなく「コントロール」することに役立つという見方があるそうだ。

 筆者が米国に住んでいた時、ジップコード(郵便番号)で子どもに対する性犯罪の前科を持つ人物の名前や住所を検索できるサイトがあることに驚いた。試しに検索してみたら、近隣にも何名かの性犯罪者が住んでいてゾッとしたのを覚えている。子どもを持つ親としては確かに安心できるシステムだと思う。しかし性犯罪者が社会復帰を試みても自分で住居を借りたり、仕事を得る事はかなり難しいらしい。

 また州によっては薬物による去勢を強制したり、GPSによる「性犯罪者の終生監視」を義務づける州も増えている。もちろん子どもに対する性犯罪は言語道断で、厳しい罰を受けることは「当然の報い」と言える。しかし、ペドフィリアに対し、何らかの方法で未然に子どもへの性犯罪を起こさせないことが出来れば、それが最良の策であろう。

 その「性的嗜好」のコントロールをよりよくできるのが薬なのか、もしくは子どもにそっくりの人形なのか、さらなる研究が必要とされる。
(文=三橋ココ)

参考:「Express」、「The Atlantic」、「VICE」ほか

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