「胸を焦がせ、焚きつけろ!!」古代エジプトのパピルスに書かれた女をゲットする方法が熱すぎる!!

■鳥のフンとワインで扁桃腺炎が治る?

 もうひとつのおまじないは、屈服させたい人物を支配し、服従させる呪文である。

 小さな銅版に、ターゲットとする人物の名前を含めた呪文の文章を刻み、何らかの機会をうかがってその人物の衣服に縫いつけたり、サンダルに貼りつけたりすることで効力を発揮するということだ。首尾よく事がうまく運べば、呪いをかけた人物を思いのままに動かすことができるという。この場合は供え物を用意するような大がかりな儀式ではないものの、何らかの隙をついて呪いの“お札”を相手の衣服や靴に仕込まなければならず、これはこれで実行に移すのは大変そうである。

 恋愛で優位に立つことを目指したり、相手を支配したりと、なかなか“腹黒い”おまじないをしていたことがわかったわけだが、この他にも敵の怒りを静めるおまじないや、法律家(弁護士)の弁舌能力を抑え込む呪文などもあったようだ。


■“秘薬”のレシピも

 また解読されたパピルスの中には、さまざまな効能がある“秘薬”のレシピもあったという。バリエーションも多彩で、頭痛、おでき、帯状疱疹、扁桃腺炎、ハンセン病まで様々な疾病に対応する秘伝のレシピがあるという。どういうわけなのか、鳥のフンを原材料にしている秘薬が多く、扁桃腺炎の治療薬の原材料はなんと鷲のフンとワインというから驚きだ。また、ハチミツと鳥のフンを原材料にした“楽しみを促進する秘薬”は媚薬と考えられているという。

 まだまだ大量の未解読文献が残っているパピルスだが、その大半はイギリスの古代エジプト研究機関「Egypt Exploration Society」とオックスフォード大学で保管されている。今回解読作業に携わったフランコ・マルトミン氏は、パピルスの内容を紹介する『The Oxyrhynchus Papyri』という書籍シリーズの共編集者の1人で、同シリーズの最新刊が現在編集作業の真っ只中にあるという。さらに今後の解読で古代エジプト人のどのような驚きの生活習慣が発見されるのかについても興味が続く。
(文=仲田しんじ)

参考:「live Science」、「Daily Mail」ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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