ついに2400年前の「アリストテレスの墓」が発見される! 20年謎を追い求めた男の執念が結実
古代ギリシャにおける3大哲学者といえば、ソクラテスとプラトン、そしてアリストテレスだ。(それぞれが師弟関係にある)彼らの生み出した哲学とは、数学・芸術・科学・文学など、あらゆる学問分野を横断する究極の学びであり、西洋文明の礎となるばかりか、現代社会にも計り知れないほどの影響を与えている。
■偉大な哲学者にまつわる最大の謎
アリストテレスは、紀元前384年にスタギラに生まれ、アテネに移るとソクラテスの弟子であるプラトンが設立した学園(アカデメイア)に入学した。その後、マケドニアに渡りアレクサンドロス大王の師となるが、アテネに戻ると自身の学園を設立。晩年はエヴィア島の都市ハルキダに身を寄せ、紀元前322年に62歳で死去した。
「万学の祖」と呼ばれるほどの“智の巨人”として、生前から古代ギリシャ人たちの尊敬を集めていたアリストテレス。しかし、それほどの超重要人物であるにもかかわらず、彼の墓がどこにあるのか、実は今までわかっていなかった。アリストテレスの墓を求めて、数々の考古学者たちが発掘調査に取り組むも、すべて空振り。アリストテレスの墓は、考古学界における大きな謎となっていたのだ。
■20年以上の発掘調査でついに確信!
しかし、ついにその謎が解ける日がやって来た。ギリシャのテレビ局ERTが今月26日に報じたところによると、同国の考古学者コスタス・シスマニディス氏が、テッサロニキで開催されたシンポジウムの場で「アリストテレスの墓が見つかった」と発表したのだ。
シスマニディス氏によると、考古学界ではアリストテレスは終焉の地であるハルキダで埋葬されたと考えられてきたが、実は生誕の地であるスタギラで眠っているのだという。1996年に発見した遺跡をアリストテレスの墓だと信じ、20年以上にわたる調査・分析の末、とうとう本物だと確信するに至ったとのことだ。
アリストテレスの墓は、10メートル四方の正方形に近い建物であり、ヘレニズム様式のドーム状の屋根を備え、床は大理石が敷き詰められていたと考えられている。建物の外には祭壇が置かれるとともに、入口へと延びる小道も整備されていたようだ。そしてこれらの構造は、わずかに残された文献に記述されている特徴とも一致するという。また、アリストテレスの墓は古代の都市国家スタギラの中心部に位置し、多くの市民が参拝できるような施設となっていたことも判明している。後の時代、ビザンツ帝国によって破壊され、次第に人々から忘れ去られてしまった模様だ。
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