伊藤若冲の秘密を画家が暴露! 印刷と実物でまったく異なるように感じる本当の理由

 今年4~5月にかけて開催された「生誕300年記念 若冲展」。前代未聞の混雑で話題になったが、特にシニア無料の日などは“320分待ち”という、ワーグナーの楽劇「神々の黄昏」(260分)を聴いても、まだおつりが来るほどの恐ろしい混みようだったとか。美術館側の対応にも批判が出たが、未曾有の行列にそれは酷というものだろう。

伊藤若冲の秘密を画家が暴露! 印刷と実物でまったく異なるように感じる本当の理由の画像1画像は「生誕300年記念 若冲展」より引用

 NHKが何度も特集を放映したことも背景にあるが、若冲と言えば30年ほど前、まだ画学生だった私たちの間で流行った画家で、どちらかといえばサブカル的な扱いだったものだが、思えばずいぶんメジャーになったものである。

 

伊藤若冲の秘密を画家が暴露! 印刷と実物でまったく異なるように感じる本当の理由の画像2『動植綵絵』の内「南天雄鶏図」

■「古くて新しい」若冲

 ともあれ、特に筆者のように絵を描く人間にとって伊藤若冲(1716~1800)とは、余人をもって替えがたい存在だ。それがここに来て、彼自身が遺した「千載具眼の徒を竢つ(せんざいぐげんのとをまつ)」、つまり「1000年先に私の絵は理解されるだろう」という言葉がやっと現実になりつつあるのかもしれない。

 一般に若冲の絵は、「古くて新しい」と表現されるが、実は古今東西、名画と呼ばれるものはどれもそうである。岩波ホールの宣伝文句「生まれた時からの古典、永遠の新作」に例えればわかりやすいだろうか。

 若冲の作品の新しさとは、サボテンを屏風にするような斬新さや奇抜さもあるが、それ以上に、“たった今描き上がったようなフレッシュ感で満ち溢れている”点にある。それは絵の表面張力が高いとでもいうか、
「南天の実」にせよ、「雪の粒」にしても、ひとつひとつの絵としての“盛り”が高いのである。

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