「アンコールワットに日本語の注意看板が立ったのは僕のせい」丸山ゴンザレス・インタビュー
――丸山さんは男性に襲われたこともありますね。
丸山 僕は、インド人の圧力みたいなものがちょっと苦手なんですよね。だから、襲われたときも恐怖より怒りが先に立ちました。ここ数年、インドでレイプ事件が多発していると報道されますが、昔からそういう話は聞いていました。件数が多くなったというよりは、事件そのものが露見しやすくなったのかなと思いますね。日本人だけが狙われていたわけでもなく、韓国人や欧米人が襲われたというのも聞いていました。
――女性の旅行者は、力で勝てない分、より気をつけないといけないですね。
丸山 友だちの女の子の話ですが、宿でシャワーを浴びていて、なんとなく視線を感じるなと思ったら、排気口のところから宿の親父が見ていたことがあったそうです。壁の裏側から入れるところがあるんでしょうね。安宿に泊まる人たちは、お金を節約していて宿をすぐに変えられない。だから、「見られるくらいならいいか」と割り切って泊まっている女の子もいたりしますよ。女性ってタフだな~って思い知らされました。僕だったら局部見られながら風呂入るなんて、絶対に嫌ですけどね。
――著書の中では、さまざまな「おもしろキャラ」も登場しました。薬の調合で現地の警察に捕まったマツダさんは強烈でしたね。
丸山 そんな奴もいましたね。まあ捕まったといっても、彼は合法の薬だけを調合していたんです。フィルムケースを大量に用意して、それに1回分の薬を調合して、ウエストバッグに入れて持ち歩いていたんですよ。空港で止められるのを想定して、全て合法であることを証明できる書類を用意していました。すごく警戒心の強い人でしたが、なぜか僕は気に入られて、2人でごはんを食べに行ったりしていました。
――丸山さんご自身も、表紙のアンコールワットの写真のように「罰当たり」な行動をしています。
丸山 僕がカンボジアから帰ったあと、「(頭部が欠損した仏像に)頭を置いてはいけません」と書かれた日本語の看板が立てられたそうです。ファンの方が、「こういう看板が出ていましたよ」と写真に撮って送ってくださって、「僕のせいですかね」と返信したら「そうだと思って送らせていただきました」と(笑)。
――書けなかった「罰当たり」体験はないんでしょうか?
丸山 書けなかったことは今でも言えませんが、1つ挙げるとすれば、この表紙に代わるプランBの写真がありました。「それは罰当たりすぎて出せない」と編集者に言われましたね。違法なことも色々書いていますが、当時と今とで取り巻く環境が変わったものもあります。たとえば、マリファナはもっと遠くのドラッグだったのに、今では世界的に合法化の流れになっています。当時は「罰当たり」だったことも、この10年で扱いが大きく変わったなと思いますね。
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●丸山ゴンザレス
1977年、宮城県生まれ。考古学者崩れの犯罪ジャーナリスト・編集者。國學院大學大学院修了。無職、日雇い労働などからの出版社勤務を経て独立。現在は国内外の裏社会や危険地帯の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『アジア親日の履歴書』(辰巳出版)。筆名で、丸山佑介もあり著作として『図解 裏社会のカラクリ』(彩図社)、『悪の境界線』(文庫ぎんが堂)、『ブラック・マネジメント』(双葉社)、『闇社会犯罪 日本人vs外国人 ―悪い奴ほどグローバル』(さくら舎)などがある。人気番組「クレイジージャーニー」(TBSテレビ系)に危険地帯ジャーナリストとして出演中。
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