頭蓋骨から古代エジプト女子の顔面を完全復元! 2000年以上前、うら若き美女はなぜ死んだのか?
■考古学だけでなく解剖学や病理学にも有益
虫歯にかかっていることから、おそらく紀元前331年以降に生存していたようであるが、これはエジプトに虫歯の原因となる砂糖がもたらされたのが、ギリシャのアレクサンドロス大王がエジプトを征服して以降だと言われているためである。
ただ、甘いものといえば古代エジプトでも紀元前1500年頃より蜂蜜はあり、(よほど摂取しない限り蜂蜜だけで虫歯になっているケースは少ないようだが)その場合、生存していた年代はさらに遡る可能性があるという。メルボルン大学では今回のメリトアムンの復元とその調査を今後、解剖学や病理学を学ぶ学生向けに活かしていきたいと考えている。
生物人類学者で解剖学を教えているヴァルシャ・ピルブロウ博士も、長らく日の目を見なかった古代の遺物を蘇らせて皆に公開することができたことを喜んでおり、環境別に人間はどういった影響を受け得るのか、という観点から病理学の診断学習に役立てたいとしているという。
メリトアムンの標本は大学内にある解剖・病理博物館で公開されており、リャン・ジェフリー館長は「博物館に陳列されているものは全て、一度は生を受けてこの世に存在した人々なんです。そのことを忘れず敬意を持って接しなければなりません」とコメントしている。
たったひとつの古代の頭蓋骨から顔を復元したり、出生年代や食べていたものの解明に近づくとは、最新技術には驚かされるばかりだ。犯罪科学分野にも成果を上げつつあり、大学と捜査機関が合同で調査を行うこともあるというCTスキャン技術。今後は学問の枠を超えてますます注目されていくに違いない。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Mail」、「The University of Melbourne」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊頭蓋骨から古代エジプト女子の顔面を完全復元! 2000年以上前、うら若き美女はなぜ死んだのか?のページです。頭蓋骨、古代エジプト、Maria Rosa.S、CTスキャン、3Dプリンティングなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで