カリブ海最大の恐怖「バルバドスの動く棺桶」事件を現地調査、ついに謎が解けた! 衝撃の真実と黒人奴隷の悲しい歴史に震える!!

カリブ海最大の恐怖「バルバドスの動く棺桶」事件を現地調査、ついに謎が解けた! 衝撃の真実と黒人奴隷の悲しい歴史に震える!!の画像1バルバドスの海岸 写真提供:羽仁礼

 現在、中南米地域を放浪している筆者だが、カリブ海の島国・バルバドスに伝わる西インド諸島最大のミステリー「動く棺桶」の真実に迫るべく、実際に現地へと足を運ぶことになった。前編では、この「バルバドスの動く棺桶」の謎に満ちたストーリーについて紹介したが、今回はいよいよ現地での調査結果を報告することにしよう。

・ 前編:読んだら眠れなくなるほど恐い話 「バルバドスの動く棺桶」


■伝説と異なる内容を含む手記

 バルバドスに着くと、まず首都ブリッジタウン中心部にある国立図書館で関連資料を探してみた。すると『バルバドス博物館・歴史協会紀要』第19巻に、アルジャーノン・アスピナルなる人物が書いた「バルバドスの未解明ミステリー」という記事を発見した。

カリブ海最大の恐怖「バルバドスの動く棺桶」事件を現地調査、ついに謎が解けた! 衝撃の真実と黒人奴隷の悲しい歴史に震える!!の画像2事件を解説するパネル 写真提供:羽仁礼

 この記事には、棺桶が動くという謎を確かめるため、バルバドス総督とともに納骨所を調査したとされるネイサン・ルーカスが、1924年に残した証言記録の概要が紹介されていた。しかしその内容には、一般に伝わっているものと異なる点があったのだ。

 たとえば、棺桶の移動が確認されたのが1812年のドーカス・チェイスの葬儀と、1816年のサミュエル父子の納骨時、そしてバルバドス総督が納骨所を覗いた1820年の4回だけだった点。また、1820年より前に総督自身が内部を調査したとか、納骨所の入り口に押印したり、床に細かい砂を撒いたなどの記述も一切ない点。さらに1820年に総督が納骨所を覗いた際も、コンクリートをはがしたなどの記述はなく、単にゴミをどけて道を開いたとしか書かれていない点が挙げられる。

 一般に伝えられる内容とこの手記との違いを考慮すると、実際に起きた事件に尾ひれがつき、かなり誇張された内容で現代に伝わっている可能性が考えられる。いずれにしても、真相を探るには、やはり問題の納骨所を実際に訪れるしかないだろう。

カリブ海最大の恐怖「バルバドスの動く棺桶」事件を現地調査、ついに謎が解けた! 衝撃の真実と黒人奴隷の悲しい歴史に震える!!の画像3墓入口 写真提供:羽仁礼

■ついに棺桶が動く納骨所へ

 こうして筆者は、首都ブリッジタウンから10キロほど東、オイスティンスにあるチェイス家納骨所へと向かった。

カリブ海最大の恐怖「バルバドスの動く棺桶」事件を現地調査、ついに謎が解けた! 衝撃の真実と黒人奴隷の悲しい歴史に震える!!の画像4教区教会 写真提供:羽仁礼

 問題の納骨所は、オイスティンスの魚市場を見下ろす高さ30メートルほどの崖の上に位置する、クライストチャーチ教区教会の敷地内にある。教会入り口の柱には、動く棺桶事件の紹介と、棺桶の位置変化を示すパネルとが埋め込まれており、この事件がバルバドスでも広く知られていることが確認できた。チェイス家の納骨所は、教会の入り口に向かって右方向すぐの場所に残されている。

 地上部分は古びたコンクリートの四角い構造物で、その前面には地下の納骨所に入る階段が彫られている。少なくとも外部から見る限り、階段部分を塞ぐようなものは残っていない。納骨所の入り口には、鍵のない古びた鉄柵があるのみだが、この部分は周囲が少し欠けている。どうやらこの入口の部分だけがコンクリートで塞がれていた可能性はあるようだ。他方、この部分のコンクリートをはがすだけなら、それほど大きな作業でもなさそうだ。

 鉄柵を押し開けてアーチ状の納骨所に入ってみると、内部はレンガ積みになっていて、吹き寄せられた枯れ葉が床にたまっていた。薄暗い納骨所の中を見回しても、四方の壁に隙間やひび割れらしきものはなく、隠し扉のような構造もない。半地下特有の息苦しさは少しばかり感じるものの、禍々しさはなく、異臭もしない。

 それから一旦外に出て、各部分の寸法を計測してみた。地上の四角い構造物は幅2.46メートル、奥行きは3.44メートルで、その前の階段部分が長さ2.2メートルある。そして、階段部分の幅はというと、なんと90センチもない。内部は、横幅も奥行きもほぼ2メートルくらいで、アーチ構造の最高部分でも1.75メートルくらいしかない。身長1.73メートルの筆者でも、背伸びすれば頭がつかえそうなほどだ。

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