致死率99.999%! 神すら容易に扱えない北欧神話最強武器「ミョルニル」と雷神「トール」の真相!
■ミョルニルのちょっとした誤解
さて、ミョルニルがあまりにも重く、柄が短すぎて握りづらいため、神々の中で最強の力を持つトールでさえ、メギンギョルズ(力の帯)で神としての力を倍増させ、さらにイルアン・グライベル(鉄の手袋)で握力を強化しなければ扱えない、というのは先述した通りです。
この中でも特に「ミョルニルを握りそこねないための、握力を強化する鉄の手袋」というポイントは、ミョルニルを登場させている創作作品でしばしば「ミョルニルが常に真っ赤に焼けており、素手で持つと大やけどをしてしまうため」という設定にすり替わっています。
ですが、実際の北欧神話内において「ミョルニルが真っ赤に焼けている」という記述はなく、この設定は現代に作られた再話(昔話や伝説を現代風に書き直し作り上げた物語)から影響を受けたものです。また後世の絵画などでは、鉄の手袋なしでミョルニルを振るうトールの姿がしばしば描かれています。
ミョルニルに対し、神話に忠実な性能を求めるのであれば「巨大な槌頭に対して短すぎる柄を持つ槌」という外見に、「そのまま殴っても強く、投げれば必ず敵に命中して戻ってくるものの、力を倍増させる装備を身に着けなければ扱えない武器」として表現するのがよいでしょう。
(文=たけしな竜美)
■たけしな竜美
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2024.10.02 20:00心霊致死率99.999%! 神すら容易に扱えない北欧神話最強武器「ミョルニル」と雷神「トール」の真相!のページです。デンマーク、ヴァイキング、たけしな竜美、トールハンマー、ミョルニル、北欧神話、武器紹介シリーズなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで