近親相姦タブーがホモ・サピエンスを救っていたことが判明! 近親相姦にまつわる3万4000年の歴史が深すぎる!
4体のうちの2体は子どもで、頭と頭を合わせるようにして一直線に寝かされて埋葬されていたため、同時期に亡くなって一緒に埋められたと考えられるが、やはり遺伝子的にはまったくの“他人”であったという。
「これが意味しているのは、後期旧石器時代において小規模なグループで暮らしていた我々の祖先においてさえ、近親交配を避けることの重要性を理解していたことです。遺伝子情報のデータによれば、近親交配は意図的に回避されていることから、すでにある目的を持った社会システムを作り上げていたに違いありません」とコペンハーゲン大学のエスケ・ウィラスラウ教授は語る。
■旧石器時代も結婚式は盛大なイベントだった!?
ほとんどの動物の社会はカップリングの際に、男女どちらかの性別がグループ内に留まり、もう一方がグループを離れるというシステムで近親交配リスクを最小限に抑えている。初期の人類はこれにならい、ある時点でカップリングに関わるルールを変更したと考えられるという。
ウィラスラウ教授によれば、狩猟採集グループは極めて少人数(25人程度)に抑えられており、メンバー同士は基本的に非親族であるという。こうした小さな狩猟採集グループは数多く存在し、それぞれグループ内での婚姻は禁止され、配偶者は必ず他のグループの者にするというルールがあったと考えられるということだ。一方、一帯で権力を握る200人程度の大きな共同体もあったのだが、そうした大きな共同体に属している者は近親交配をしないための厳格な婚姻のルールが内部に敷かれていたという。
こうしたルールがすでに3万4000年前にはあったというのは驚くべきことだろう。そうしてこうしたルールを設けず、近親交配を行っていたネアンデルタール人は、それが原因で弱体化し絶滅したのではないかと考えられるという。人類が今日も栄えているのは、この時代の婚姻にルールを設けて近親交配を回避したことが最も大きな要因かもしれないのである。
またこのスンギール遺跡の墓には、故人のものと思われる宝石や工芸品、武器なども一緒に埋められており、シンプルな葬儀が行われていたことが示唆されている。おそらくは結婚式も行われていたはずで、それは異なる狩猟採集グループがその日ばかりは一緒に祝い交流を深める貴重な機会であり、この時代なりの盛大なイベントであったことが推察できるということだ。
確かに、もしグループ内のメンバー同士で結婚するなら、派手な結婚式を行う理由も動機もあまりないだろう。普段は別々に活動し、時に敵対するようなグループ同士だからこそ、結婚式が重要な政(まつりごと)になるのだ。旧石器時代の冠婚葬祭がどんなものであったのか、タイムマシン完成の暁にはぜひ見てみたいものだ。
参考:「Daily Mail」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊近親相姦タブーがホモ・サピエンスを救っていたことが判明! 近親相姦にまつわる3万4000年の歴史が深すぎる!のページです。仲田しんじ、タブー、葬式、ホモ・サピエンス、旧石器時代、結婚式、婚姻などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで