バッキバキに剥き出しの“東京”を撮る写真家・新納翔! 圧倒的な都市の“核”を捉えた写真集『PEELING CITY』を語る!
『PEELING CITY ― 都市を剥ぐ』新納翔
■写真家と名乗ることに申し訳なさを感じる
『PEELING CITY』に収録された写真にはヘルメットや傘といった、外部からの刺激から身を守るための品々が多く写っている。そのことから、現代の都市がはらむ攻撃性を読み解く評論家もいる。
新納「都市と対峙して優位に立ちたいというのもあります。負けず嫌いなので、都市だろうと何だろうと負けたくない。だから敵意が出てくるのかもしれない。『この壁ごときが俺の感情を揺さ振りやがって』と。僕は、自分より弱いものを見てアイデンティティを保つ傾向が強いので、そういう卑屈なところが写真に出ているとは思います。それと、そもそも写真を現実逃避の手段に使っているというのが自覚としてあるんです」
『現実逃避』の手段とはどういうことなのだろうか?
新納「何もしなくても、写真を撮りに行っていれば何かしたような気になるという、精神のバランスを保つツールに使っているというのは正直あります。本当は一日中ネトゲーをやっていられるような自堕落きわまりない人間なんですよ。でも、それはさすがにダメでしょう。嫌気がさす。それで写真を撮る。カメラを使って自分の現状を肯定するようなセコいことをしてるんです。だから、自分を写真家だと名乗ることに申し訳なさのようなものはある。真摯に写真を撮っているつもりではありますが、もっと真面目に写真を撮っている方に対して申し訳ないという気持ちがあります」
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2024.10.02 20:00心霊バッキバキに剥き出しの“東京”を撮る写真家・新納翔! 圧倒的な都市の“核”を捉えた写真集『PEELING CITY』を語る!のページです。写真集、新納翔、渡邊浩行、PEELING CITYなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで