人間はどこまで残虐になれるのか!? ユダヤ、1ドル、浮気… 人間の超意外な本性がわかった「偉大な心理学的発見」トップ10!
1. 善きサマリア人の実験
プリンストン大学の心理学者、ジョン・ダーリーとダニエル・バトソンが行った「善きサマリア人の実験」が栄えある1位に輝いた。この実験は、その名の通り新約聖書の「善きサマリア人のたとえ」(下記)に依拠したものだ。
「イエスが答えて言われた、ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った。するとたまたま、ひとりの祭司がその道を下ってきたが、この人を見ると、向こう側を通って行った。同様に、レビ人もこの場所にさしかかってきたが、彼を見ると向こう側を通って行った。ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、彼を見て気の毒に思い、近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いでほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した」(ルカによる福音書)
「善きサマリア人の実験」では、ある神学生らには「善きサマリア人のたとえ」を、別の神学生らには他のエピソードを近くのビルでレクチャーするよう依頼。その道すがら、行き倒れている人がいるが、果たしてどちらの学生が立ち止まってその人を助ける確率が高いか、というもの。
その結果、どちらの学生も助ける確率に差はないことが分かった。むしろ、人助けに寄与したのは時間だった。急いでビルに向かった学生は10%、余裕を持ってビルに向かった学生は63%の確率で倒れている人を助けたという。人の行動は信念や思想よりも、その時の状況が大きな影響を持つのである。
如何だろうか? これだけ多くの成果をあげてきた心理学だが、実は学問として確立してまだ130年ほどの歴史しかない若い分野である。今後、ますます人間の本性を暴く恐ろしくも魅力的な発見が飛び出してくることに期待したい。
(編集部)
参考:「Psychology Today」、ほか
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