女性が心臓発作を起こした場合、医師が男性だと死亡率が上がる! “女性医師を増やすべき”緊急救命室データから判明!
アメリカの科学技術サイト「Science alert」(8月12日付)は、女性が心臓疾患発作で病院に担ぎ込まれた場合、治療にあたる医師が男性だと死亡率が上がるというショッキングな事実を発表している。
■ER内に女性医師がいれば女性患者の生存率は高くなる
この医療結果は、1991年~2010年の19年間に、米フロリダ州にあるER(緊急救命室)に搬送された急性心筋梗塞の患者およそ58万2,000人のデータから判明した。具体的には、女性医師が患者を治療したときの死亡率は、男性が11.8パーセント、女性が12パーセントとなっている。つまり、0.2ポイントの僅差だ。
しかし、男性医師が担当すると、男性12.6パーセントに対して女性13.3パーセントとなり、男女差ポイントが約3倍に広がる。研究では、患者の年齢、人種、病歴、病院のグレードなどを考慮しているが、それでも心臓発作での死亡率は女性患者のほうが高いという。
また、女性医師により命拾いした女性患者も、ERに男性医師しかいなかった場合は、約1,500人が命を落としていた試算になるという。その他、担当が男性医師であってもER内に女性医師がいれば、女性患者の生存率は高くなるとしているが、女性の内科医が直接女性患者を治療したときのそれには及ばないと指摘している。
「医師は生きるか死ぬかの瀬戸際を任される高度な専門職です。ですが、医師と患者の間に性差によるミスマッチがあるとしたら、由々しき問題でしょう」と、セントルイスにあるワシントン大学のオーリン・ビジネス・スクールで経営戦略が専門のセス・カーナハン准教授は語る。
■女性医師の数を増やすことが急務
カーナハン准教授によれば、医療現場に限らず、ビジネスにおける類似研究でも同様の結果が出ていると話す。だが、ビジネスと違い、医療では人ひとりの命が関わっているのだから、解決が急がれるジェンダー問題といえるだろう。
では、なぜこのような医療成果に性差が出るのか。米科学誌「米科学アカデミー紀要」に発表された論文では「医師の大半は男性であり、男性医師は女性患者を治療する上で、難しさを感じている」と結論づけている。そうなると、女性医師の数を増やすことが急務なのかもしれない。
とはいえ、アメリカもさることながら女性医師の数や活躍の場が確保されていない今の日本では、さらに厳しい現実であることは必至といえる。救いなのは、治療を行う医師が男性の場合でも、女性患者に対する経験値が高ければ、女性の救命率も上がるということだ。
少子高齢化が急速に進む中、担当する医師の性別で自分の命の灯し火が曖昧になるのだけはなんとしても食い止めたいところだが、今後は、社会全体の問題として討論が重ねられることに期待したい。
参考:「Science Alert」、「Washington University in St. Louis」ほか
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