伝説の廃墟「白雲楼ホテル」に潜入! 誰もいないはずの建物に居住者…着物姿の女霊が…!

 廃墟マニアの間では、北欧や南欧の建築様式と日本のそれを巧みに織り交ぜた外観や内観は、誰が撮っても美しい写真をモノにできるという話が広まり、白雲楼ホテルは、“最上級の物件”とされていた。しかし、この「事件」以来、“曰く付きの物件”というレッテルを貼られるようになっている。

「それから、今思い出せば、もっと不思議なことがありましたね。この物件に入ってからすぐにヘンな部屋を見つけたんです。そこには、まだ布団が敷いてありました。弁当の食べ残しや飲みかけのドリンクも残されていたんです。人が住んでいたんでしょうか……。あんな化け物がいるようなところで生活をしていたら精神的におかしくなっちゃいますよね、普通。建物の中央には、この物件のシンボルとも言えるスペイン瓦葺きの屋根があったりして、すごく良かったんですけど、結局、そのとき以来行くことはありませんでした。もうあんな怖い思いはしたくありませんでしたからね。今から考えてみても不思議で不思議でなりません……」(同)

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 白雲楼ホテルの本館にある玄関は、アメリカの建築家であるフランク・ロイド・ライト(慶応3年〜昭和34年)によって設計されたもので、建物の内部には、金沢市生まれの画家である相川松瑞(明治27年〜昭和44年)によって大襖絵が描かれた大広間や、石川県生まれの洋画家である宮本三郎(明治38年〜昭和49年)の壁画が描かれたダイニングルームなどがあった。

 これほどまでに栄華を極めた白雲楼ホテルだったが、廃墟となってからは、年々荒廃が進んでいった。破壊目的の若者や暴走族などが入り込んで破壊行為をしていくようになったからだ。それに加えて、放火事件が何度も起きている。このようなことから、雪害などの影響によって建物自体も老朽化していたこともあり、最後の所有者となっていた金沢市によって、平成18年に解体されている。
(文:小倉門司太郎)

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