世界初「ゲノム編集ベビー」の中国人科学者が行方不明! 拉致か、逃亡か…研究の虚偽疑惑も浮上!
■賀氏の研究内容は?
賀氏がYouTubeにアップした動画での説明や香港での講演によると、賀氏はCRISPR-Cas9というゲノム編集技術を用いて受精卵を改変、CCR5という遺伝子を削除することでHIVに感染しにくい性質を与えたという。そして今年、双子の女の子ルル(露露)とナナ(娜娜)が誕生した。
実験には7組の中国人カップルが参加しているという。いずれも男性がHIV陽性、女性が陰性のカップルであり、現在2例目が妊娠中とのことだ。受精卵のゲノム編集の成功率は7割ほどで、子宮に戻せる段階のものが31個あったという。残り5組のカップルの子宮にも受精卵を戻す予定があったようだが、現在研究は中断されている。
中国ではHIV感染が大きな社会問題化しており、賀氏は子どものHIV感染を防ぎたいという思いからこのような研究を行ったと主張している。だが、中国でもヒト受精卵への操作は規制されており、賀氏は無許可のまま研究を続けたとみられている。
ヒトの受精卵に対するゲノム編集は明らかに時期尚早であり、賀氏の講演を聞いた科学者らからも批判や反論が続出している。現時点では査読された論文も発表されておらず、功名心による虚偽の報告ではないのかと疑いの目を向ける科学者も多い。とはいえ、ここまで世界を騒がせた以上、いずれにしろ賀氏は大きな責任を背負うこととなる。
果たして賀氏はどこへ消えたのか? 賀氏は自らの研究を説明する義務を、1日も早く全うすべきであろう。
(編集部)
参考:「Newsweek」「South China Morning Post」「Science Alert」ほか
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