関西に実在した呪いで人を殺せる女! 憎しみと暴力が少女を覚醒、母娘の念で9人死んだ「呪殺ダイアリー」前編

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関西に実在した呪いで人を殺せる女!  憎しみと暴力が少女を覚醒、母娘の念で9人死んだ「呪殺ダイアリー」前編の画像4画像は「Getty Images」より引用

 真冬で、朝から雪が降っていた。

 継父は一階の廊下で恵子さんをひとしきり殴る蹴るして、動かなくなると興味を喪失したようで、鼻を鳴らして立ち去った。

 朝食を食べたきり水すら口にしていなかったが、恵子さんは空腹を感じなかった。ただ、寒くて仕方がなかった。暖房のない板敷の廊下に横たわっているのだから当然だ。茶の間に行けば炬燵がある。

 しかし、もう這っていく気力がなかった。

 やがて姉が小学校から帰ってきたが、恵子さんが目に入らなかったかのように、すぐに二階の子ども部屋に行ってしまった。

 近頃、姉は母に倣って自分のことを無視するようになった。ここは玄関につながる廊下で、家に入ってきた瞬間にこの姿が目に飛び込んできたはずだけれど……。

――なんて冷たい廊下だろう。それに、とっても暗い。真っ暗だ。

 いつの間にか、夜になっていた。

 そして、母が帰ってきた。玄関がパッと明るくなる。

 恵子さんは力を振り絞って母の方へ顔を向けた。が、母は嫌そうに恵子さんから目を背けた。

 そこへ、家の奥からドタドタと足音を鳴らして継父がやってきた。母に金をせびり、母が素直に応じないとなると結局は財布を奪い取って逃げるように出て行く。

 その肉の分厚い、大きな背中を見たときだった。

――こんなお父さんは要らない。

 頭の芯に、廊下の床板よりも硬くて冷たい塊が生まれるのを感じた。氷のような拒絶の結晶だ。そこから透明な光線が放たれた。

 光は恵子さんの両目から飛び出して、過たず、継父の背中に撃ち込まれた。

――この世界に、おまえは要らない。

 継父が二度と生きては帰ってこないことを、このとき恵子さんは直感した。

「そして、本当に帰ってきませんでした。翌日の早朝、警察から家に電話がありました。道端で凍死している継父が発見されたという知らせでした。転んで頭を打ったようです。気を失っているうちに凍死してしまったのでしょう」

<後編に続く:26日20時配信予定>

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関西に実在した呪いで人を殺せる女!  憎しみと暴力が少女を覚醒、母娘の念で9人死んだ「呪殺ダイアリー」前編の画像5

■川奈まり子
東京都生まれ。作家。女子美術短期大学卒業後、出版社勤務、フリーライターなどを経て31歳~35歳までAV出演。2011年長編官能小説『義母の艶香』(双葉社)で小説家デビュー、2014年ホラー短編&実話怪談集『赤い地獄』(廣済堂)で怪談作家デビュー。以降、精力的に執筆活動を続け、小説、実話怪談の著書多数。近著に『迷家奇譚』(晶文社)、『実話怪談 出没地帯』(河出書房新社)、『実話奇譚 呪情』(竹書房文庫)。日本推理作家協会会員。

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