「おっさんずラブ」を絶賛する人に欠けている視点
「おっさんずラブ」を絶賛する人に欠けている視点 ― 見えざる非差別に気付かぬ人々(東大教授寄稿)
――ハイパースカトロジスト(超糞便愛好者)としても知られる稀代の哲学者・三浦俊彦(東京大学教授)が、世の中の“ウンコな正論”を哲学的直観で分析する【超スカトロジスト時評】――

暮れに「天声人語」を眺めていて、のけぞりました。末尾6行を引用しますね。
今年の新語・流行語大賞の10位以内には♯METOOのほか、男性同士のラブコメディードラマ「おっさんずラブ」が入った。セクハラを擁護したり他人の性にけちをつけたりするのとは違う世界が、ここにはある(朝日新聞、2018.12.30付)
『おっさんずラブ』観たんでしょうか、この筆者。
上司が部下にしつこく言い寄る。しかも二組同時進行。言い寄られる側同士では告白抜きでいきなりディープキス。セクハラパワハラ大肯定にしか見えませんでしたが……。もし男女間の設定だったらあのドラマ、有害コンテンツ認定必至でしょう。わずかでもセクハラ色あればCMもポスターも撤去させられる今日この頃ですから。
『おっさんずラブ』の悪質なつきまとい行為がぜーんぶ純愛として許されたのは、〈ゲイ〉って呪文の浄化作用のおかげでしょう。「あの人ら純粋無垢だから」。つまり差別意識。当事者を温かく見守るような、一見優しい雰囲気をつくるので、差別だとは意識されにくいんですが。
こういう「見えざる差別」と表裏一体になってるのが、「見えざる非差別」。見えざる非差別? そう――差別のはずないのに差別認定されちゃうって状況。あちこちで起きてますよ。
2年ほど前に裁判が話題になった「一橋大学アウティング事件」あたりが典型例かな。失恋して当てつけに自傷行為という、型にはまった事件です。ただし転落死した学生がゲイだったせいで、アウティングとか差別とか騒がれ、大学の責任(!)まで問われる流れに。

男女間だったら注目されないありきたりな痴話げんかをメディアが差別差別とはやし立てたせいで、かえって偏見をあおり、LGBTvs.ノンLGBTの分断を深めてしまった感じでしたよ。死亡者に同情的すぎる報道や大げさな追悼集会にいらついたネット民が「ノンケに告ってんじゃねえよ!」等々ヘイトな書き込みをやってましたから。あれとは比べ物にならない強引な求愛が『おっさんずラブ』では微笑ましく肯定されてたわけですが……。
アメリカでは、カミングアウトされたら覚悟決めなきゃいかんようです。面接で不採用にした企業が「差別だ」と訴えられ負ける、という事件が頻発だとか。ゲイ差別してない、いきなり性的なノロケ話を始めたから落としただけ! そんな釈明は通用しない時代なのです。
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