2018年に世界が騙されたフェイクニュース5選
「AIロボットが日本人科学者29人を殺害」!? 2018年に世界が騙されたフェイクニュース5選
ここ数年、「フェイクニュース(偽ニュース)」という言葉を実によく耳にする。科学誌「Science」に発表されたMIT(米マサチューセッツ工科大学)の研究によると、Twitter上では「嘘は真実よりも早く、広範囲に広がる」という。
真実は1,000人以上にはなかなか届かないが、フェイクニュースの場合、拡散度合いが早いものは、1,000人に広がればあっという間に10万人もの人々に届くらしい。虚偽のニュースには、政治的な意図を持って拡散されたものが多いが、ここでは、硬軟取り揃えて、2018年の話題を中心にフェイクニュースを見てみたい。
1.「災難は終わった。慌ただしくホワイトハウスを去るトランプ」
これはごく最近のフェイクニュースだ。
2019年1月、偽りの「ワシントン・ポスト」紙が作られ、ホワイトハウスのある米ワシントンD.C.の中心地で配布された。また同時に、偽ワシントン・ポストの電子版「My-Washingtonpost.com」も立ち上げられ、トランプ退陣のニュースを報じた。

ほとんどのメディア関係者は、これがフェイクニュースだとすぐわかり、本物の「ワシントン・ポスト」紙も声明でこのニュースを打ち消した。しかし、偽新聞読者の一部が、トランプ退陣を信じて大喜びし、SNSでこのニュースを拡散した。
奇妙なことに、この偽新聞を作成したグループは、新聞の日付を2019年5月1日付としていた。そしてこの偽新聞には、「架空の『ワシントン・ポスト』紙による今後起きる出来事の不気味な予測」というタイトルの記事も含まれていた。この手の込んだフェイクニュースを作り出したのは、作家のオンネシャ・ロイチュッドフリ、L.A.カウフマン、および「トリックスター活動家」のイエス・メンだと伝えられている。
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