殺人犯は未来人だった!? 超絶優秀な殺人犯から獄中で覚醒した死刑囚まで…死刑囚取材人・片岡健インタビュー!

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画像は「Getty Images」より引用

■不幸な生育環境が殺人鬼を生む?

——殺人犯は生育環境に問題があるんでしょうか?

片岡 そういうのはありますよね。裁判員裁判で唯一、犯行時少年で死刑判決を受けた千葉祐太郎はDV家庭に育った。犯行時は頭が真っ白になって記憶が無いという解離性障害を起こしている。これは生育環境での虐待が原因だったのだろうと私は思っています。

 筧千佐子は、もらい子だったんです。生まれてすぐに養女に出されたので、大人になるまで育ての親をずっと実の親と思って過ごしてきた。なので、自分の出自を知ったショックが人格を歪めた可能性がありそうに思えました。

——ただ、それは一つの要因であって、家庭環境に問題があってもまっとうに育っている人はいますからね。今は、虐待件数が増えたと言われていますが、昔からあったと思います。社会の目が厳しくなったから明るみになりやすくなったというのはあるでしょう。

片岡 それはそうですね。ただ、自分が虐待されていればそれが普通になってしまい連鎖してしまう。虐待されている人は恋愛するにしても、自分と同じように虐待されている人を選び、虐待されている同士でくっつきますよね。なぜかわかるらしいですよね。

——人間というものは、本当は嫌なんだけれど、慣れ親しんだ環境から離れられないというところがありますよね。親から虐待されて殴られてた女性は、DV男と結婚するとか言いますよね。

片岡 そのほうが安心できるんでしょうね。

——慣れ親しんじゃっているから、違う環境に行くのが怖いんでしょうね。

片岡 怖いと言うか。自分が殴られない所で受け入れられるのかどうかというのが自信がないのでしょうね。子供の頃に父親に虐待されていた殺人犯から以前、「親に虐待されていない人にはコンプレックスを感じてしまう」と聞かされたことがあります。

——幸せになるのが怖い。幸せを味わったことがないからわからない。人に優しくされた経験がないから優しくされると戸惑うとか。でも、それは明らかに悪い連鎖だとどこかで気付いて断ち切らないといけないんですけれどね。でも今はそういった情報も蔓延しているから、気付きやすいと思うんですよね。

片岡 でも、頭でわかっていても行動に移すのはなかなか難しいでしょうね。

——最後に、片岡さんから読者に伝えたいメッセージはありますでしょうか?

片岡 死刑囚をはじめとする重大殺人事件の犯人に、ご自分でも一度会いに行ってみるといいと思います。男の面会には応じないが、女性の面会なら応じるという殺人犯もいますので、女性なら僕が会えなかった有名殺人犯に会える可能性もあると思います。実際に会えば、報道とは全然違う殺人犯の実像を知ることができるので、事件物の映画や小説よりも知的好奇心を刺激されると思いますよ。

——ありがとうございました!

片岡健氏

 いかがだっただろう? 実際に事件を取材し、殺人者に直接向き合ってきた片岡氏だからこそ伝わる生々しい話では非常に面白かっただろう。殺人事件は忌み嫌われると同時に、多くの人々の興味を惹きつける。日常からかけ離れていると感じるからこそ、人々は殺人に刺激を感じるのであろう。だが、殺人者は何も特異な存在ではなく、ほんのちょっとしたボタンの掛け違いで誰でもなりうる存在であることがこの連続インタビューからもわかるであろう。

この先、片岡氏の真摯な取材によって真実が暴かれ、冤罪から救われる死刑囚もいるかもしれない。そして、片岡氏には我々が踏み込むことができない陰惨な事件をこれからも紹介して欲しいと思う。

(取材・文=白神じゅりこ)

画像は「Amazon」より引用

片岡健(かたおか・けん)
1971年生まれ。大学卒業後、編集プロダクションなどを経て、フリーのライターに。現在は全国各地で新旧様々な事件を取材している。広島市在住。編著に「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)。最近会ったその他の主な死刑囚(含む未決)に、土屋和也(前橋高齢者3人殺傷事件)、山田浩二(寝屋川中1男女殺害事件)、西口宗宏(堺市資産家連続殺害事件)など。


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★白神じゅりこ
オカルト作家・コラムニスト・ライター。ジャンルを問わず幅広く執筆。ジャンルを問わず幅広く執筆。世の中の不思議を独自の視点で探求し続けている
・ ブログ「滅亡日誌
・ Deep Red ホラーチャンネル番組『白神じゅりこの「ほんとにあったリアル都市伝説」

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