胎児が入った豚の子宮をみじん切りにして生で食す…韓国の伝説料理「セキフェ」を食べてみた! 犬鍋よりもレア、お味は!?
タクシーで進みながら、タクシーの運ちゃんはセキフェの思い出を話してくれた。
「昔はよく食べたね。セキフェはゲテモノ料理じゃないよ。お酒を飲んだ後に、締めにザザッと食べる料理なんだ。胎盤だけの店もあるし、胎児をすりつぶした店もあった。食べると目玉がツルンと出てくることもあったよ」
日本で酒を飲んだ後に、ラーメンを食べるようなものか。栄養だけみたら、糖質&脂たっぷりのラーメンを食べるより、タンパク質のかたまりみたいな料理を食べたほうが健康的だ。しかし、今ではセキフェを食べられるお店はほとんどなくなってしまった。どうしてだろうか?
「セキフェが原因の食中毒が流行ったんだよね。たしか寄生虫だった。当時は、衛生的にいいかげんなお店が多かったんだね」
話を聞いているだけで、気持ち悪くなってきた。ただし、今回行くレストランは食肉工場のとなりで、使われているお肉は食肉工場から直で仕入れている物だから安全だろう。
しばらく走った後に、食肉工場に到着した。現代的な大きい工場で、もちろん関係者以外は立ち入り禁止だ。
工場まわりには数軒のレストランがあった。中には、かなり大きくにぎわっているお店もある。
ただし、セキフェが置かれているというレストラン『春夏秋冬』はさほど大きい店ではなかった。ガラガラと引き戸を開けると、営業中でひとまずホッとする。
外から見たら小さい定食屋に見えたが、かなり奥行きがある広い店内だった。飾り付けはほとんどないサッパリした内装だ。ジンロの焼酎瓶やコカコーラの瓶がケースごと積んであった。
僕ら以外には客はおらず、テーブルに座った。タクシーの運ちゃんも、「せっかくだから久しぶりに食べたいね」と言って同席した。
壁に貼られたメニューは文字だけのあっさりしたものだった。
<돼지 새끼 회 (제주 산)>
と書かれているのが、どうやらセキフェらしい。スマートフォンで直訳すると『済州島産の子豚回』と出た。値段は12,000ウォン、日本円で1200円くらいだ。韓国は日本より少し食費がやすいので、ちょっと高めの一品だと言えるだろう。
編集さんがセキフェを頼むと、店員は少し驚いた顔をした。日本人が注文するケースは少ないようだ。
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