「大麻学科」を設立する大学が続出中! 本物の「大麻ドクター」誕生へ、必修科目は…=アメリカ&カナダ
■アメリカ国内から見る大麻の合法化について
近年、アメリカで深刻な問題となっているのが薬物依存とその死亡率だ。医師による鎮痛剤の過剰な処方が多くの薬物依存を生み出し、人種や老若男女を問わずその命を奪っている。
両親を薬物で失う子どもたちも増加しており、地元の自治体で独自の取り組みを始める地域も見られるようになった。その原因となったのがケシが原料のオピオイドで、医師の処方を必要とする麻薬性鎮痛薬であり、より強い鎮痛効果と副作用があるフェンタニルやオキシコドンも含まれる。いずれも非常に強い中毒性があり、しかも高額なため、患者は入手が容易で安価なヘロインへと移行することが多い。
現在アメリカ国内では1日に130人がオピオイドやヘロインの過剰摂取により死亡しているといわれ、特に中西部では2016年7月から2017年9月の間にオピオイド関連による死亡率が70%増加したという恐ろしいデータが出されている。
医師の処方する鎮痛剤に強い危機感を覚えた政府が規制を強めたことで、鎮痛剤が入手困難になってしまった重病患者に、安全な状態で大麻を処方できるようになることは望ましいと個人的には思うが、一方で、合法化されるにあたって若年層に与える影響や人体への新たな悪影響の懸念が残るのも事実。世界の大麻事情のこれからに注目したいところだ。
(文=清水ミロ)
※参考:「TV6」、「Washington Post」、「The Growth Op」、「Business Insider」ほか
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