最新作の『Otari – Pristine Peaks 山霊の庭』でこの2月、日本の写真界において権威のある第28回林忠彦賞を受賞した野村恵子さん。野村さんといえば、自身のルーツがある沖縄を切り取った、独特の錆びた色彩、熟れて湿った空気感の写真をすぐさま思い浮かべるのだが、この新作では一転、縁もゆかりもなかった信州の小谷村に生きる人々の営みを撮影した。3月16日から東京・東神田のKanzan Galleryを皮切りに、4月、5月と写真展が続く野村さんに、この作品が作られた経緯、生きることと食べること、そして、ご自身の写真活動について話を聞いた。