「北海道地震はCCSが関係」鳩山氏の発言は本当にデマなのか!? 科学ライター寄稿「論文の存在、調査の必要性、裏の陰謀…」

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■経済産業省も実態を把握している!?

 ここまでの話を総合して、こんな疑問が浮かんでこないだろうか? シェールガス層が水圧で破壊されたように、貯留層の岩盤に二酸化炭素が浸み込み、気化して膨張し、圧力の増加によってシェールガス採掘とおなじ要領で岩盤に亀裂が入る可能性はないのか? もしくは、亀裂が入ってしまった地盤に地震が来たことで、被害が拡大した可能性は本当にないのか?

 国策に関わる事業では、民間の調査会社が政府とは別に調査を行う。実は、CCSもそうした調査の結果、シェールガス同様に地震発生の可能性はあるとの結論が出ており、経済産業省へ報告が上がっているという話も筆者は入手している。

 ただし誤解なきようにお願いしたいのは、地震は地震でも、CCSで起きる地震と自然の地震では、まったく性質が違うということだ。陰謀論者の言うような大規模な地震は起きないし、深度が非常に浅いので、施設近辺に微小地震が起きるレベルである。

 筆者も、今回の北海道地震そのものとCCSは無関係だと考える。2018年9月6日に起きた北海道胆振東部地震でも、貯留層に異常は見られなかったそうだ。とはいえ、である。CCSの周囲で、自然に発生した地震が引き金となって被害を起こした形跡は皆無なのか? シェールガスと地震に因果関係があるなら、そこは疑いの声が上がるのも仕方がないと思う。今回の地震でも問題は起きていないのか、しっかり追跡調査して安心させていただきたい。

■CCSは儲かるビジネス

 CCSを各国が推進する背景には、いろいろな思惑が渦巻いている。たとえば、二酸化炭素の排出権取引で儲ける――など。

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 一国が排出する二酸化炭素をどれだけ削減できるか? という目標達成の影には、削減量が企業間で売買されているという実態がある。具体的な二酸化炭素の排出削減を誰がやるか、といえば各企業だ。企業の規模や事業内容に応じて、二酸化炭素の削減目標が設定される。企業は真面目に削減に取り組む。すると削減量が目標を上回る。この削減した量を債券化するのだ。

 簡単に言えば、目標値より1トン多く削減したら、それが1トン券になり、その債権を買った相手は1トン多く二酸化炭素を排出する権利を得る。このように排出に関する債権は、市場で売買されている。

 この文脈で考えると、CCSはまさに“債券発行マシン”に等しい。地下に二酸化炭素を埋めれば埋めただけ、排出権を発行できるようになるからだ。CCSはまさに“金を生む装置”なのである。

 この債券は、二酸化炭素の排出など気にすることなく工業化を推し進めたい発展途上国へと流れるだろう。彼らは債券を買っては盛大に二酸化炭素を排出し、CCSはそれを地中に埋めては債券を売るのだ。発展途上国が豊かになればなるほど排出権は売れ、CCSで処理を行う国は儲かる、という循環が完成するのだ。

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