謎すぎる宗教「くも教」に不動産執行人が遭遇! 異常な湿気とカビに覆われた部屋で一心不乱に祈祷を唱える債務者…!
縁もゆかりもない家で靴下に謎の液体が染みゆくという不快感をなんとか払拭しつつつま先立ちで奥の部屋まで到達すると、そこにはDIYでこさえたであろう和風なハンドメイド祭壇が一部屋を覆っていた。祭壇の周囲にはいたるところに「くも」と記されている。
集合住宅などで上の階がある場合、「雲」や「空」の文字を神棚や天井に書くことによって、「神様より人が上に立つ」ことを避ける習慣があるが、どうやらこの「くも」は「雲信仰」を表しているようで、債務者は呪文か念仏のようなものを唱えながら大量の湯を沸かし水蒸気を発生させている真っ最中だった。
「あの、お話よろしいでしょうか」
執行官の呼びかけに全く応じる素振りを見せることなく一心に祈祷を続けているため、そのまま室内の調査に取り掛かる。
カビはマンションの一室とは思えないほど室内全体に行き渡っており、天井にまでミステリーサークルのようなカビの輪が広がっている点は、どこか現代アート作家の作品のようにも思えた。
祈祷を続ける債務者の背中越しに執行の終了と経緯説明を終え、玄関でずっしりと重たくなった靴下を脱ぐ。
靴下の濡れていない部分で足を拭き、どこかのトレンディー俳優よろしく裸足で革靴を履くというスタイルで執行人たちがそれぞれの帰路につく――。
日本にある18万を超えるという宗教法人の数とは別に、登録すらされていない個人的崇拝もまた多く存在するのだろう。
今回のような物件の惨状を招くほどの祈祷が、壁一枚隔てた向こう側で繰り広げられていることを、他の住人たちはどこまで知り得ているのだろうか――。
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2024.10.02 20:00心霊謎すぎる宗教「くも教」に不動産執行人が遭遇! 異常な湿気とカビに覆われた部屋で一心不乱に祈祷を唱える債務者…!のページです。雲、ニポポ、カビ、不動産執行、暗黒物件、崇拝などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで