平成のお笑いの”転換点”はアノ時だった、評論家がガチ指摘! 一歩間違えたら本当にヤバい人が…『教養としての平成お笑い史』発売記念キック×ラリー遠田対談!
ラリー この本で書いた中で、時代の転換点として大きかったのは有吉弘行さんと品川祐さんの「おしゃクソ事変」だと思うんですけど。
キック このお二人の関係性は面白かったですね。まさに明暗が分かれたっていう。
ラリー その頃、「ひな壇芸人」っていう言葉ができて、『アメトーーク!』が当たっていて。ひな壇芸人がちょっとサラリーマン化してきたみたいな風潮があったんですよね。あそこに席があればとりあえず毎週出られる、みたいな。そこで品川さんが実力を発揮して、ちょっと調子に乗っているように見えていたじゃないですか。それを地の底から出てきた有吉さんがバッサリ斬り捨てた。これでみんなが笑ったんですよね。テレビを見ていて誰もがうすうす「品川さんってちょっとうっとうしいな」って思っていたから。
キック 九星気学で言うと、有吉さんが八白土星で品川さんが一白水星なんです。土剋水って言って、土と水は混じり合わなくて相性が悪いんですよ。水が流れるのを土が止めますよ、っていうことなので。歴史に残る大事件ってやっぱり相性が悪いところから生まれるんですよね。
ラリー この時期の有吉さんって、いろいろな人に手当たり次第に噛み付いていてすごかったですよね。当時、僕が印象に残っているのが『リンカーン』の企画で有吉先生の授業みたいな企画があって、有吉さんが先生っていう設定で、ダウンタウンを含むレギュラー陣を片っ端からボロクソに言うんですよ。もちろんそういう企画だからっていうのもあるんですけど、松本(人志)さんにも容赦なくガンガン行って、楽屋に加湿器をいっぱい置いているのをイジって、蒸気で顔が見えないときもあるから「お前、肉まんか」って言ったりしていて(笑)。
あの頃、後輩芸人が松本さんをイジるのって、冗談でもあんまりなかったじゃないですか。それができるっていうのも本当に捨て身っていうか、「いつ死んでもいい」ぐらいの覚悟でやっていた。それが面白かったんですよね。
キック しかも腕があるから、むやみに傷つけるわけじゃないんですよね。「あだ名」芸のときもすごかったですからね。受けなきゃいけない戦いが毎回あって、それを全部勝ち抜いていったわけですからね。
ラリー 有吉さんが復活するのはあの時点で想像できたけど、ここまで行くとは思わなかったですよね。冠番組をたくさん持って、4月からはNHKでもレギュラーが始まって、全局にレギュラー番組があることになりますからね。こんなことになるか、っていう。
キック それだけ運を貯めてきたんだってことですよね。よっぽどつらかったんだと思いますよ。猿岩石でヒッチハイクをやっていたときにも、テレビが入っていたとはいえ、めちゃくちゃつらいじゃないですか。
ラリー 餓死しそうになったりしていますからね。あと、有吉さんは猿岩石を解散した後で仕事がなくなって落ちたときに、ライブとかにも一切出なかったんですよね。1日中、家でじーっとしているって、相当つらいと思うんですよ。でも、そんな生活の中でテレビだけは見ているんですよね。テレビにひたすら愚痴と悪口を言う。一歩間違えたら本当にヤバい人じゃないですか。
でも、そこで運を貯めたのが結果的に良かったんでしょうね。普通だったら、そこでお芝居をやったりして、ちょっと違う方向に走りがちじゃないですか。でも、有吉さんはそれをやらないで芸人として踏みとどまったんですよね。
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