誰も知らない「ガソリンの怖すぎる威力」を亜留間次郎が科学的に解説! 人体への影響、破壊力、兵器化…歴史が証明するガソリンの闇
■ガソリンの秘密
ガソリン1kgが燃焼すると44MJのエネルギーを出しますが、これは重油や軽油と比べて特に高い数字ではありません。TNT爆薬などはもっと少ないですが、エネルギーの発生速度が速いので恐ろしい殺傷力を発揮します。TNT爆薬などの軍用爆薬では1kgの爆薬がエネルギーを放出する時間は10ナノ秒以下です。
ガソリンは燃える速度が木材や石炭や重油などと比べて桁違いに速いのです。そして、同じエネルギーを与えられた場合、エネルギーの発生速度が早いほど破壊力や出力が大きくなります。
科学の基本で、物が燃える時は物体の表面で燃焼反応が起きるので、表面積が大きいほど火力が強くなります。
実際に石炭で蒸気機関を動かしていた軍艦では、戦闘中にボイラーの火力を上げる為に機関員が石炭を砕いて細かくする作業がマニュアル化されていました。石炭の表面積を増やして火力を上げる為です。
重油、軽油、ガソリンなどの液体燃料の場合も、表面積が大きいほど早く燃えて火力が強くなります。液体の表面積が最大の状態とは細かい霧状になっている状態です。
そして、ガソリンは火がつくと自分の熱で霧状になって高火力で燃焼して、その熱でさらに気化する連鎖反応で爆発するように燃えます。
なぜ、ガソリンがそんなに早く燃えるのか? それは気化しやすく着火しやすい性質によります。
木がゆっくり燃えるのは、炭素で出来たセルロースの塊が熱によって分解されることによって燃えるためです。分解速度以上に速くは燃えません。
じゃあ、あらかじめ化学処理して炭素を細かく分解しておいたらどうなるかというと、その究極系がガソリンなわけです。
マンガ『Dr.STONE』第一話でも千空が「ポリエチレンの分子構造考えろバカ ガソリンの長さに炭化水素ぶった切ってるだけだ 見りゃ分かんだろ」と言っているように、炭素化合物を短く切ればガソリンになります。
石炭をガソリンの長さに炭化水素ぶった切って作る人造石油は、第二次世界大戦でドイツ軍が大量生産しています。
人類が使ってきた燃料は木→炭→石炭→油→ガソリンと、高出力化を求めるほど化学処理によって炭素の長さが短くなり、燃えやすく加工されてきました。
これ以上は燃えやすくできないところまで化学処理された液体こそがガソリンなのです。
ガソリンスタンドで売っているガソリンが軽油よりも値段が高いのは軽油よりも多くの化学処理が行われているからです。
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2024.10.02 20:00心霊誰も知らない「ガソリンの怖すぎる威力」を亜留間次郎が科学的に解説! 人体への影響、破壊力、兵器化…歴史が証明するガソリンの闇のページです。爆発、火災、ガソリン、大量殺人、京都アニメーション放火事件などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで