羽田空港に「異次元からの訪問者」が来ていた!? 存在しないパスポート、流暢な日本語…異世界トラベラーの実話3つ!
■嵐の中の男
1977年のある夜、米ユタ州の荒野で2人の男がキャンプをしていたところ、突然強い風が吹き始めた。風は強くなる一方で、砂塵を巻き込みながら渦を巻いた。2人は近くにあった洞窟に避難することにした。
洞窟から外の様子を窺っていた2人は、嵐の荒野を全速で駆け抜ける人影を見つけた。双眼鏡で確認した2人は、その人物のただならぬ様子に目を疑った。それは背も高く体格も良い、長い髪の男で、体には赤い布を巻きつけ、頭には色とりどりのビーズを使った飾りをかぶり、腕には金属製の腕輪がはめられていた。あまりに奇妙な格好だった。
さらに不思議なことに、男が出現してから嵐は弱まった。そして砂嵐はまるでこの男性を追いかけるように動き、彼が方向を変えるとその後を追いかけ、一旦立ち止まるとその周囲を一周したのである。そして男と砂嵐は北の方へと去って、姿を消してしまったという。
■タウレッドの男
1954年7月、羽田空港に白いスーツを着た白人の男が降り立った。彼はヨーロッパ発の飛行機の搭乗客で、入国審査では「ビジネスのため日本に来た」と流暢な日本語で話したという。日本語の他にもスペイン語とフランス語をあやつり、いかにも世界を股にかけて活躍する有能なビジネスマンといった雰囲気の男であったが、入管は彼を通すことはできなかった。男の所持するパスポートが、「タウレッド(Taured)」という存在しない国のものだったのである。
男が説明するには、タウレッドはフランスとスペインの中間にある小さな国だといい、地図上でその場所を指し示すことさえした。だが彼が指差した先はアンドラ公国であり、タウレッドなる地名は存在しない。男はイライラした様子を見せながらも説明を繰り返し、タウレッドは1000年の歴史を持つ古い国であり、地図の方が間違っていると訴えた。さらに男は、タウレッドで発行された運転免許書を示し、財布に入ったヨーロッパの通貨を見せ、以前に受け取ったヨーロッパや日本からの手紙と切手を示したのである。
しかし、どれだけ調べてもこの世界にタウレッドなる国は存在しない。男は日本での滞在先として予約したホテルの名前や自分の銀行口座などをさらに示したが、調べたところホテルも銀行も存在しないことがわかった。
困った空港職員らは、とりあえず一晩男を近くのホテルに監視付きで宿泊させることにした。しかし翌日、部屋の中から男もその荷物も一切がなくなっていた。部屋の前には一晩中職員がいて、男がどうやって逃亡したかはわからなかった。そしてどういうわけか、空港の事務所に保管してあったはずのタウレッドのパスポートや運転免許書も煙のように消えていたのである。
このタウレッドの男の話は、ストーリーが詳細な割に根拠となる情報に乏しい。オカルトサイト「Anomalies」によると、英語圏での初出は1981年に出版されたColin Wilson著『The Directory of Possibilities』であるが、その内容は「タウレッドのパスポートを持った男が現れた」という短いものだったようだ。その後1999年のTom Sleman著『Strange but True: Mysterious and Bizarre People』で、現在語られているような話が述べられているという。当時一部の日本メディアがこの事件に関する記事を、ごく短くではあるが報じたという話もあるにはあるのだが……。
ちなみに、手相・怪談師の島田秀平さんも、存在しないはずのチケットをもった人物が自身の怪談イベントに来た実話をトカナで語っている。
異世界から迷い出てしまった旅人たちは、今日も世界のどこかをさまよっているかもしれない。
参考:「Mysterious Universe」「Anomalies」ほか
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2024.10.02 20:00心霊羽田空港に「異次元からの訪問者」が来ていた!? 存在しないパスポート、流暢な日本語…異世界トラベラーの実話3つ!のページです。アメリカ、異次元、異世界、トラベラー、タウレットなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで