未だ解明できない1000年前の「プラハ城の人骨」の正体とは!? たった一人の男の骨の謎…ナチスとソ連も魅了された!
第二次世界大戦が終わると、チェコスロバキアはソ連に占領された。すると彼らもまた、プラハ城の謎の人骨に興味を持ち、中世スラブ人文化の高度さを実証する証拠だと考えたのである。ボルコフスキーは一時、戦時中の反共産主義を批判されてシベリアに送られそうになったものの逃げ延び、人骨がスラブ人であるという2本目の論文を出版、ついにはプラハ考古学研究所に席を得て、ソ連に連なる科学アカデミーの一員にもなったのである。
■今も続く議論
ナチスドイツ、ソ連と政治的な混乱とイデオロギーに翻弄されたプラハ城の人骨であるが、1976年にボルコフスキーが死去した後は長く日が当たらないままだった。そして、2004年にようやく公開されたという。
今年8月に専門誌「Antiquity」で発表された論文によると、最近の研究では謎の人骨は「正当なヴァイキング」である可能性のほか、「スラブ語と同じように古ノルド語も堪能だった近隣地域のスラブ人」だった可能性が指摘されている。プラハ城で見つかった1500もの中世の墓や人骨と比較し、問題の人骨の副葬品は非常にユニークであり、当時のヴァイキングの特徴があるというのである。
20世紀前半に見つかった謎の人骨は、政治とイデオロギーに翻弄され、今ようやく正しく科学の光が当てられようとしている。謎の人骨が謎でなくなる日はそう遠くないかもしれない。
参考:「Daily Mail」「Antiquity」ほか
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