性交の三段階、寸止めセックス、性交時間…キリスト教最狂のブッ飛び教団「オナイダ・コミュニティ」を徹底解説!
ジョン・ハンフリー・ノイズ(1811-1886)、歴史上稀にみるキリスト教SEX教団の教祖となった彼の教えは、どのようなものだったのか。ノイズが指導した「千年王国」オナイダ・コミュニティは、宗教的共産主義を実行し、全財産のみならず、信者の心身も共有した。彼らはキリスト教の証ともいえる日曜礼拝を廃止、「聖霊」の力と権威を注ぐ「按手(あんしゅ)」を信者間のセックスと解釈して、近親相姦、優生学的な生殖、性行為の管理を目指した。そこでは一体何が信じられていたのか?――宗教・オカルトの専門家・神ノ國ヲが徹底解説!
■乱交でもフリー・ラブでもない「複合婚」
1847年10月26日、ノイズは「姦通罪」で逮捕される。夫ある女性がノイズによって長年の病気より「聖霊の力」を受けて回復した――つまりノイズと性交したのだ。ノイズの郷里パトニー村はこれに激怒。結果的に彼らはNY州オナイダへと移転し、そこで共同体の建設へと向かう。徹底的な無償の愛「アガペー」と情愛「エロス」を区別せず、公共圏と親密圏を融合させた「オナイダ・コミュニティ」の始まりである。
実は、誤解されがちだが「複合婚」は、フリー・ラブでもフリー・セックスでもない。たしかにノイズが初めて「フリー・ラブ」という語を使ったが、いわゆる「乱交」のような意味ではなかった。「複合婚」は、ルールと規律によって縛られ、管理された性行為であった。それは決して乱交共同体ではないのだ。ならば、どのような規律があったのか。教祖ノイズは、性行為をどのように考えていたのか。
■メイル・コンティネンス――男の自制
ノイズが自身と信者たちに課した規律、それが「メイル・コンティネンス」だ。ノイズによれば、性交には三段階ある。まず女性器に男性器が挿入された状態。次に、相互運動の段階。最後に射精の危機である。ノイズは、最後まで性交を精神の管理下に置き、男が絶頂に達することを「自制」するように教えた。なぜなら出してしまえば、女性に出産を強いることになるからだ。
ノイズによれば出産とは罪の結果である。サタンに聞き従った女性に与えられた痛苦でしかない。千年王国には、そんなものは必要ないのだ。むしろ男は、積極的に女に喜びを与えなくてはならない。それは信仰に基づく愛と自制によってのみ達成される。だからノイズは、男は「自制」し、女には性的満足を与えるように積極的に指導していた。平たくいえば、「男は黙って寸止め!」、これが神の代理人の教えである。
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