もしも日本で臓器移植ビジネスが流行したら?「年収200万円以下の貧困層が自分の腎臓を600万円で年収2千万円超えの人に売る感じ…」亜留間次郎が解説

画像は「Getty Images」より引用

■国際臓器売買組織

 そして、公益法人として世界規模で活動している世界最大の臓器移植組織が「DTIコミュニティ」です。ちゃんとウェブサイトもありますが、ほとんどの情報はセキュリティで守られていて開示されていませんけど。

 会員登録する為には身分証明書かパスポートのコピーを送らなければなりません。登録時にドナー(売りたい)かレシピエント(買いたい)か選択するのですが、レシピエント登録だと寄付金の請求書が来ます、私の場合は日本円払いで1,180,000円支払っています。

 この組織はちゃんと中国、アフリカ、中東、欧米など世界中で公益法人の認可を受けていて、日本の財務大臣が指定した寄附金控除の対象になっているので、領収書は日本の確定申告で税控除に使えます。

 たぶん、売買の希望を告げれば移植コーディネーター(実質的な買取人か売人)から連絡が来ると思われます。その時に寄付金という名目の臓器代金を支払うことになるのでしょう。そして、臓器購入代金は税金控除の対象になるらしいです。

 こうした市場を独占する合法臓器ブローカーの台頭により、零細違法臓器ブローカーは殲滅されています。見つけたら警察に通報するだけで消えてなくなりますから、大手独占の地位は揺らぎません。合法臓器ブローカーは儲かるので設備の良い大病院や有能な医師と綿密に連携して移植してくれるので顧客も安心して買えます。

 こうした好循環の連鎖により臓器ビジネスは発展し続けています。2019年7月時点で移植実績10万件突破だそうです。

 この組織には医師の会員もいて移植外科専門医、腎臓専門医の養成も行っています。

 こうした国際ネットワークが必要になる背景には、心臓移植や生体肝移植のように適合条件の厳しい臓器を移植する場合、ドナーを探すのが難しいことがあります。確率的にはドナーの母数が一千万人を超えないと、完全な適合者を見つけることができません。免疫抑制のリスクはいまだ大きく、ドナーの適合率が高いほど免疫抑制のリスクが最小になり移植後のQOLが高くなります。

 つまり、億円単位の値段が付く高額商品は、地球規模のネットワークで探さなければ見つけられないのです。

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