ついに夢の「リバース・エイジング」実験成功! 老人が若者に…脳がマジで若返った意外な条件とは!?
■脳を“だまして”若返らせる
驚くべきことに、少なくとも脳の一部は若返ることがわかったのだが、研究チームはさらにこの現象を確かめるために、脳の組織に似せて人工的に作った素材の上でOCPを培養してみる実験を行った。人工素材は若い脳の柔らかさに近づけたソフトなものと、高齢の脳の硬さを再現したものの2種類が作られた。
培養実験の結果、硬い素材の上で培養した若いマウスのOPCは、機能障害を招き再生能力が低下し、まさに高齢マウスの脳のように老化が進んだ。その一方、柔らかい素材の上で培養した高齢マウスのOPCは機能が向上し、まさに若返ったのである。つまり周囲の組織の硬さ、柔らかさでOPCは老化が進みもすれば、若返ったりもするのだ。
研究チームはOPCに周囲の組織の硬軟についての情報を伝える働きをする細胞表面にあるタンパク質Piezo1に着目し詳しく調べた。もしPiezo1が存在しなかった場合、OPCはどのような振る舞いを見せるのか。
そこで研究チームは、マウスの脳幹細胞の表面からPiezo1を取り除く実験を行った。すると、たとえ硬い組織の上に乗せられたとしても、高齢マウスのOPCは若返ったのである。つまり周囲の組織の硬軟が判別できなくなった場合、OPCは周囲の組織が柔らかいのだと“誤解”していることになる。
そして実際に高齢のマウスの脳のOPCからPiezo1を取り除いてみると、機能障害から回復し脳が若返ったのだ。
今回の研究結果は、脳機能障害やMSの治療法の開発に重要な意味を持つものになる。ある意味で脳を“だます”ことで脳が若返るという発見は、今日の超高齢化社会の中で将来的に大きな希望をもたらすものにもなるだろう。
参考:「Evening Express」、「Cambridge Network」、「Medical Xpress」、ほか
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