酔っ払っても個人の道徳観念は変わらないことが研究で判明! 「酒の席だから大目に」は間違い、酔ったアナタも“本当のアナタ”
過去に犯した酒でのやらかしを後悔している人も少なくないだろう。結局は酒のせいにしてしまえばそれまでだが、最新の研究では我々は酒に酔っても道徳観念は変わることはないことが報告されている。つまりモラルの善し悪しは“酒のせい”にはできないのだ。
■アルコール摂取で人の気持ちがわからなくなる
酒の失敗は時にいろんな意味で致命的な出来事になってしまうが、その一方で酔った揚げ句に何か不適切な言動をしでかしたとしても、酒の席でのこととして大目に見てもらえるケースもある。一部の酒飲みの中には、明らかに周囲が大目に見てくれることを前提にして酒に酔って大言壮語や暴言を吐く者もいそうだ。
アルコールは気分をリラックスさせてくれるぶんだけ、普段は抑え込んでいる感情が表に現れやすくなるかもしれない。その意味では酒のせいで後に物議を醸すような“本音”がポロリと口をついて出てきてしまったとしても不思議ではない。
またアルコールは仲間内での士気を高めるために用いられることもあるだろう。酔って気勢を上げることは英語でダッチカレッジ(Dutch courage)と呼ばれ、英蘭戦争に臨むイギリス人兵士たちが戦の前に酒を酌み交わして勇気を奮い立たせる慣習があったことからきている。
アルコールを摂取して血気盛んになることでトラブルも増える。毎晩のように飲酒が関係した事件が各地で発生しているのはご存じの通りだ。科学者たちは、こうした飲酒が関係したトラブルは、アルコール摂取によって周囲にいる他者への共感能力が低下するために起こり得るのだと考えている。酒に酔うことで、目の前にいる人間が今何を感じ何を思っているのかがわからなくなり、その結果、不適切な言動を犯すリスクが高まるというのだ。
しかし、共感能力や同情心が失われたからといって、それがそのまま反社会的行動につながるわけではないだろう。最新の研究では、アルコール摂取が道徳観念に及ぼす影響を探っていて興味深い。
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