量子の「二重スリット実験」大きい物質でも成功! 遂にマクロとミクロの世界がリンク「物質波実験の質量は一桁上がる」
2019.10.09 10:00
一方、今回の実験結果は量子力学と古典的な物理学を繋ぐ架け橋にもなりそうだ。より大きな物質でも粒子と波動の二重性が確認されたわけだから、ミクロの世界を扱う量子力学とマクロの世界を扱う古典物理との距離が一歩縮まったと考えられるからである。
ウィーン大学の物理学者ヤーコブ・ファイン氏も将来的な期待を語っている。
「将来の実験では、より大きなスケールでテストされると思います。私は楽観的に見ています」(ファイン氏)
さらに同論文は、「次世代の物質波実験は、質量を一桁押し上げるだろう」とまで予想している。光子1つと原子2000個でも大きな違いであるが、それ以上の大きさでも二重性が確認されれば、この宇宙で二重性はさほど奇妙な振る舞いなどではなく、むしろ我々が慣れ親しんでいる、性質が1つに固定された状態の方が奇妙だと言うこともできるかもしれない。
ミクロ世界とマクロ世界の分裂はかねてより物理学者を悩ませてきた。それを統一する理論が模索されてきたが、今も成功していない。だが、こうした地道な実験の先にその答えはあるのだろう。今後の研究にますます期待したい。
参考:「Science Alert」、「Nature Physics」、ほか
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