パラレルワールドに「別の自分」は存在する、物理学者が新著で断言! 相互作用についても… 多世界解釈もはや常識に!
■「パラレルワールドは相互作用しない」
キャロル氏の話はさらに進んで、現象が観測者と深く関係している超物理学的な世界観、宇宙観にも及んでいる。
「電子であろうと、原子であろうと、ほかの何かであろうと、物体を見る前には、それは特定の場所にありません」とキャロル氏はNBCのインタビューに応じて語っている。
「ある特定の場所で観察する可能性が高いかもしれませんが、実際には必ずそこにあるわけではありません」(キャロル氏)
量子論では箱の中にいるネコが生きているのか、死んでいるのかは意思を持った主体が“観測”することで“決定”されるわけだが、多世界解釈ではネコが生きている世界も、ネコが死んだ世界も同時に存在していることになる。
帰宅して部屋の机の上にサイフを置けば、次に外出するまでそこがサイフの存在する唯一の場所であるはずだが、その一方でそこにサイフがない世界もまた存立し得ることになる。
もちろん多世界解釈の可能性を検討したのはキャロル氏だけではない。故スティーブン・ホーキング博士や“シュレーディンガーの猫”のアーウィン・シュレーディンガーなどもまた、数多くのパラレルワールドが存在することを示唆している。
例えばホーキング博士は、ビッグバンによって無限の数の宇宙(多元的宇宙、multiverse)が我々に与えられたことを晩年の研究で指摘している。
ではこの無数に存在するというパラレルワールドを覗き見たり、あるいは身をもって訪れることができるのだろうか。しかし残念ながらキャロル氏はその可能性はきわめて低いことをあらかじめ指摘している。
「パラレルワールドは相互作用せず、どのような形でも相互に影響し合いません。世界を跨ぐことは光の速度よりも速く移動するようなものです。人間ができることではありません」(キャロル氏)
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