中国の世界初「遺伝子編集ベビー」は失敗か!? 予期せぬヤバい変異が… 政府は赤ん坊の身柄確保、極秘論文流出で波紋!
2018年11月、中国の科学者・賀建奎氏が人間の受精卵にゲノム編集を行い、HIVに感染しにくい性質を持った双子の女の子を誕生させたと発表、世界的な大ニュースとなった。しかし、発展途上の技術を使った人体実験ともいえる内容に、世界中の多くの科学者から非難が殺到、さらにはその研究過程にも多くの法律違反があったことが発覚し、現在も賀氏は中国当局に拘束されているとみられている。
そんな中、米テクノロジーニュースサイト「MIT Technology Review」(12月3日付)が、未だ発表されていない賀氏の論文を入手、その内容について報じた。その内容とデータからは、賀氏の「成果」が虚偽であり、予期せぬ失敗をしていた可能性すらあるという。
2018年当時の賀氏の説明によれば、彼らは双子にHIVへの耐性を持たせるため、CCR5というタンパク質の遺伝子をターゲットに、CRISPR-Cas9によるゲノム編集を行ったとのことだった。しかし、生まれた双子が実際にHIV耐性を獲得しているのか、そのデータは未だ公表されていない。行方不明になる前、賀氏は学術論文を有名科学誌「Nature」や「JAMA」に投稿していたが、査読の結果、どちらのジャーナルも掲載を拒否している。その論文をこのたび「MIT Technology Review」が入手、その内容を一部公開したのである。
論文のタイトルは「Birth of Twins After Genome Editing for HIV Resistance(HIV抵抗性のためのゲノム編集を受けた双子の誕生)」で、その内容はゲノム編集によってCCR5に「delta 32」という変異を再現することに成功したというものだ。delta 32はHIVに抵抗性を持つ人々から発見された突然変異で、HIVの感染を防ぐ働きを持つことが知られている。
しかし、賀氏の論文を読んだ専門家によれば、賀氏はこの突然変異の再現に失敗している可能性が高いという。それどころか、意図しない領域に変異を導入してしまう「オフターゲット」が起きていたかもしれないというのである。さらに、賀氏らは自分たちのゲノム編集の結果、本当にHIV耐性をもたらすのか十分な確認を怠っていたというのだ。
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