ヒトの祖先はサルではなくカッパか人魚だった?「水生類人猿説」の説得力!
■脳が発達したのは海産物のおかげ!?
我々の脳が大きく発達したのは海産物の豊富な栄養素によるものだと指摘する声もある。
「The Driving Force:Food、Evolution and The Future」の著者であるマイケル・クロフォードとデイビット・マーシュはサバンナの生活では我々の脳はここまで大きくなることはできず、栄養豊富な海産物のタンパク質とドコサヘキサエン酸(DHA)、オメガ3脂肪酸が人間の脳をここまで大きくしたのだと説明している。
「原始祖先の類人猿の系統のひとつの“ブランチ”は、競争によって森を追い出され海岸を食糧資源にすることを余儀なくされました。カキ、ムール貝、カニ、ザリガニなどを探し、彼らはほとんどの時間を水中で過ごし、直立した姿勢が自然に習得できたのでしょう。アフリカのサバンナでは大きな脳の進化は不可能でした。それが起き得る唯一の方法は、そもそも脳の成長と発達を促す海洋食物網の資源を活用することでした」(著書より)
魚を食べる習慣が脳によいことは今日でも知られている。海産物が人間の脳を発達させたとする彼らの仮説は、なかなか魅力的であるともいえる。
しかし残念ながら水生類人猿仮説は、メインストリームの科学界では認められているものではない。水生類人猿仮説を否定するさまざま見解があるのだが、決め手となっているのが化石や遺跡などの物的証拠がない点である。
脳についてはひとまず置いておくとしても、我々の身体的特徴はサバンナでの生活でも発達させることができるとも言われている。例えば体毛は性淘汰と、皮膚の冷却のために失われたということだ。さらに、もし一度は水生に適応したのであれば、どうして再び陸に戻ったのかについて有力な説明がない点も、水生類人猿仮説が疑問視される主要な理由の1つであるという。
こうした批判があるにもかかわらず、それでも水生類人猿仮説は粘り強く残っており、現在も活発に議論されていて、今日に至るまで強力な支持者がいることも事実だ。
未確認動物学(cryptozoology)の分野では、人魚や日本のカッパなど多くの水生のミステリアスな生物なども扱われており、水生生物の進化史の一部である可能性も指摘されている。
奇妙な理論である水生類人猿仮説だが、まだまだ議論の余地はあり、今後の人類学的発見によってはどう転ぶのか予断を許さない面もあるのかもしれない。海の幸に舌鼓を打つ時、水生類人猿仮説を思い返してみれば味わいが増してくるかもしれない!?
参考:「Mysterious Universe」ほか
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2024.10.02 20:00心霊ヒトの祖先はサルではなくカッパか人魚だった?「水生類人猿説」の説得力!のページです。人魚、進化、仲田しんじ、カッパ、水生類人猿説などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで