ニューヨーク・タイムズが2030年までの「13の予言」を発表! お先真っ暗…精神も環境も経済も最悪!?
2020年代が始まり、この年末年始、多くの人々・媒体が次の10年間を予想している。米「ニューヨークタイムズ」もその一つで、政治家やジャーナリスト、作家など識者14人が2030年までに起こりうることを予想している。これから10年で世界はどう変わるのか? その予想の中身をご紹介する。
■より「スマート」な世界に
まず、多くの識者はインターネットやAIの発展によって社会に大きな変化が起こると予想している。
米民主党の大統領候補の一人、アンドリュー・ヤン氏はコンピュータによる自動化によって我々の仕事は大きく変化し、場合によっては職を失う可能性が高いことを指摘している。一方で、巨大なハイテク企業によって人々が翻弄されているといい、スマートフォンとソーシャルメディアによって子供までもが孤独やうつ病のリスクにさらされているとして、これらの新しい技術に対してどのように向き合っていくかが重要だとする。
このような急激な変化は広告の世界も変える、そう予測するのはジャーナリストのケイティ・ウィーバー氏である。広告はより身近で個々人にカスタマイズされたものになり、購入意欲をわかせるような品々が、より洗練された形で提示されるようになるとする。作家のジャミ・アテンバーグ氏は、書籍を例に取り、インターネットは必ずしも実店舗を破壊するものではなく、ファンのコミュニティを盛り上げ、売り上げに貢献するものであると力説する。
■インターネットの政治闘争
国際政治学者のP・W・シンガーはよりインテリジェンスで理解の難しいシステムが政治や会社、さらには個々の家庭までをも動かすようになるだろうと予測している。さらに、あらゆるところに張り巡らされたネットワークによるメリットは大きいが、それを悪用し、町全体を人質に取るような新時代のテロリストが現れるだろうと述べる。
また、米共和党議員のマイク・ギャラガー氏は、通信技術の世界でもその存在感を強めている中国によるネットワークへの影響を懸念している。
一方で、「真実」と「フェイク」をめぐる問題がさらに大きくなる可能性も指摘されている。元チェスの世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフ氏はAIの発達がこの問題に終止符を打つと楽観的な予測を披露する一方で、それを受け取る人間側の問題を提示する。事実に基づいた「現実」が支持されない限り、二極化した「真実」が現実の中に存在する世界になるとその恐怖を訴えている。
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