通俗的「LGBT支援」の論理破綻を元女子大教授が指摘! 支援のつもりが「性差別を強化」…日本の知的レベルがやばい!

 こうして、トランス受け入れの女子大学が採りうる矛盾なき道はただ二つ。「共学化」「復古」でしょう[1] 。脱身体的な「女性」を認めるためには、百年以上さかのぼった性道徳が必要とされるのです。

 さて、LGBT支援が知的に混乱していると私が考えるもう一つの事例に移りましょう。女性スペース問題です。

 トランス支援派の立場は、「職場や学校で未オペトランス女性は、女性スペース使用を認められるべき」というもの。ただし今のところ彼らも、不特定多数の出入りする公共の女性スペースについては、沈黙するか、その場しのぎの詭弁を弄するかのいずれかです。

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画像は「getty images」より

 トランス支援派の言葉を聞いてみましょう。法的に女性IDを持たせたら、未オペトランス女性は女子トイレに入ってくるのか、という懸念に対する三橋順子氏のコメント。

「理論的にそういう権利があるという話にすぎません。公の場で、女子トイレや女湯に入ることを今すぐ認めて欲しいと要求しているトランスジェンダーはいないのです」[2]

 【理論的に】権利があるというのは、【実際に】権利があるということですが……。その実際の権利が使われはしないから大丈夫、法的女性IDを認めよう。それが三橋氏の立場。

 しかし「権利が使われない」と考える根拠は何でしょう。「MtFは人目を慮って女湯に入らないはずだ」というのか。まさか「MtFは遠慮して生きろ」とでも?

 次のような主張を考えてください。「理論的に参政権があるという話にすぎません。女は空気を読んで、国会議事堂に入ってきやしないから大丈夫です」←こんな理由で女性に参政権が与えられたとしたらどうでしょう。救い難い家父長制的価値観による女性蔑視と言うほかありませんね。トランス女性について三橋氏は同じことを言っているのです。三橋氏自身、自分をトランス女性と位置付けているかもしれませんが、当事者を名乗る人の言葉は、一人称権威を装うぶん、非当事者の言葉よりも独善的になりがちだという好例です。

[1] もうひとつ、「診断書を持つ性同一性障害者に制限する」という道もあるが、医師が一日で診断書を出している現実に照らすと、ほとんど意味をなさない。
[2] https://www.huffingtonpost.jp/entry/transgender_jp_5cc405bde4b04eb7ff9618bf 似た発言は、遠藤まめた(BuzzFeed News」2019年1月9日)、馳浩(LGBT議員連盟総会、2019年11月18日)など多数みられる。

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